花の名前は忘れたが、まだパリに一週間はいるのでつい花を買ってしまった。

  短期で借りたアパートの窓際に鉢を置く場所があり、日当たりはそこそこだったからである。日本に帰る時枯らしてしまうので、最初見つけた時はぐっと我慢をしたが、ぐるっと市場を一周して帰ってきた時、やはり欲しかったので、買った花に謝りながらマンゴーと一緒に持って帰ってきた。

 毎朝、日本語を話したかったわけではないが。「おはよう。」といつも声をかけながら水をあげたことを覚えている。

 買った時は、花は2つ程度であとはほとんどつぼみだったが、一日一日膨らみ、帰る頃はいくつも花を咲かせてくれた。花が咲くのは嬉しいが、パリの時間が過ぎていることにもなり、時々寂しくなってしまった。

 ところで、このアパートはいくつかのアパートと共同の門(道路に面した)を使っていた。本来は門を開けるのに、コードを押さなければならないが、日中は開いていることが多かった。ストリュートビューを見た時も門は開いていた。花に水をやりながら外を見ていたら、金曜日だったと思うが、たくさんの人がぞろぞろ入ってきたのが見えた。もちろんアパートに住む人ではなく、外部の人だ。アパートの通路と言うより、道路と言ってもいいくらい、人の往来があった。混雑を避けるために、通路の真ん中にコーンを並べていた。警備の係の人が2名いるのもわかった。

 それで思い出した。ストリュートビューで見ていたら、「モスクがある」と表示されていたが、アパートの周りを歩いてもなかった。通路の奥のアパートの中にモスクがあるようだ。

 礼拝日以外の日でも、人の数は少ないが往来はあった。昼、時々門が閉まっている時があった。その時は、アパートのだれかが通るのをじっと待っていた人がいるのを見た。 そう言えば、通路に注意事項がフランス語でいくつか書いてあった。    

 とにかくアパートの周りは、いろんな人種の人が通っていて、白人は多くないというか少ない時もあった。もちろん日本人にはほとんど会うことはなかった。

 だいぶ話が逸れてしまったが、結局大家さんが花を引き取ってくれることになり、一安心した。もちろん日本に戻る時、日本語でお別れの挨拶をしてきた。