妊娠中、役立たずにならないパートナーの選び方 | 健康天使abo Health Creator

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妊娠中、役立たずにならないパートナーの選び方

結婚の約束を交わしたとき「君を一生守る!」なんて誓ったとしても、こと妊娠・出産においては全くどうしていいかわからない男性が世の大半ではないだろうか。妊娠中は母親にさまざまな変化が起こり、ホルモンバランスも崩れているとき。妻を、そして生まれてくる子を守るため、パートナーである男性に求められるものとは。
9月にTBS「王様のブランチ」で紹介され話題となった、『きみは赤ちゃん』(川上未映子著/文藝春秋)から学んでみよう。

1.夫による身重な妻への正しい案じ方

身重な妻を気遣うのはパートナーとして当然のこと、「いつも案じている」と口で言うだけではだめだ。本書でも、それがきっかけで夫婦げんかになったことが書かれている。
“これ誰の妊娠やと思ってんねんな1回くらいわが子と妻がいまどういう状況かわたしからの報告じゃなくて能動的に知ろうとしてもええんちゃうんかああわあああああいいいいいあいいあいいあいあいあいあ”(※原文ママ)
この一文を読んだだけでも、妊娠中の女性がいかに精神的に不安定になるのかを想像することができると思う。女性の身にとっては毎日が異常事態、ヒステリックにだってなってしまう。ふだんから淡白な夫だったとしても、妊娠中なら余計、ないがしろにされているように妻は感じるだろう。ただ気を遣えばよいというわけではなく、妻の身に起こっていることが、自分の身に起こっていることとして把握しておくべきである。
妻本人が求めているものを聞いてあげるというのも重要だ。マッサージを希望されたらしてあげる、などの対応ができるとよい。主役はあくまで妻。中には胎教本などを熱心に読み、「胎児にいいから」と音楽や体操を無理に勧めたりする旦那もいると聞くが、それは母体を案じていることにはならない。

2.性欲がありすぎる夫はダメ。でも、無さすぎるのは?

妊娠中に性交渉をしてよいかは、産院によって言われることが違うそうだ。ただ、OKと言われたところで、胎児を宿したままの体で、なかなかそんな気分になれない女性が多いだろう。「それじゃあ我慢できない!」と言って無理にせまったり、よその女性と不倫してしまうような男性は論外。ならば、「じゃあわかった、我慢する」という男性はどうなのか。

著者は本作で“断るのは必ずやわたしでなければならない、これはそういう話なのだ”と述べている。妊娠中、普段は感じることのない「プライド」や「焦り」を感じていたと言う著者。

ホルモンバランスによってなのか、いつもとは違った感情が出てくることは女性にとっては大きな悩みになったに違いない。夫は、そんな妻の気持ちの変化に敏感である必要がある。
そしてだいじなのは、性交渉はなくともスキンシップをしてあげることだ。スキンシップが精神的な安定につながるというのもよく言われること。妻の体がどんなに大きく変化していても、夫は、それが自分の愛する女性の体であることを忘れてはならない。

3.不安を抱える妻に、夫がしてあげられる最大のこと

女性が抱える妊娠・出産の不安は、出産後も晴れることはない。妊娠中もつらいが、出産して子育てが始まるとまたつらい。新しい家族の一員が加わり、生活も180°変わってしまう。出産間近となった著者も、そのときの不安を“話にもならない混乱”としながら、ある夜に突然、夫へぶちまけたのだそうだ。
そういったことは何度もあったそうで、著者本人すら“何回目だよ”とあきれるくらい。夫の方もよほどウンザリしたのではと想像するが、そのときの彼の様子はこう書かれている。

“半分白目のまま辛抱強く話をきき、どの問いかけ、発露にも、全方位に適応してくれ、最後はなぜか、おっぱいパブとおしりパブの話になって、元気になって寝た。”
……なぜ最後に全く関係ない話になるのかはともかく。こうしたことが、パートナーに求められる最大のことではないか。

結局、妊娠のつらさを夫が代わってあげることはできない。「わかってよ」と言っても、相手の体の中で起きていることを想像するのは限界がある。ただ、どんな状況でも夫婦で話し合うこと。少しでも寄り添ってあげることができれば、妻の不安もやわらぐはずだ。人の心を救うのは言葉なのである。

妊娠・出産は、母体が主役である。夫は痛みや苦しみを分かち合うこともできない。それでも何とか支えてあげようとしても、見返りは何も期待できない。男性にとっては、それがある意味で最大の苦痛かもしれない。その苦痛と真っ向から戦い、乗り越えられる精神力こそ、パートナーに求められることだろう。

本書には、「妊娠・出産って……」と、筆者も読んでてつらくなる部分が多かった。けれど、こういうことも知らないで「子どもが欲しい」なんて気楽に言えないな、と反省した次第。男性も、しっかり読むべき一冊だ。