M-1グランプリ2020
6番手
マヂカルラブリー
(第16代王者)
1st. ステージ
「フレンチ」
「どうしても笑わせたい人がいる男です」
「.......やばっ」
「違うよ、違う、違うよ!!!」
「「終わり〜!」じゃないんだよ!」
「デモン!」
のっけから心を鷲掴みにされた。
あの事件からの3年間は、この漫才のための壮大なるフリとなった。
その過程を知っているお笑いファンは、マヂラブがどう戦うのか、その件にどう触れるのか、胸を躍らせながら待っていたはずだ。
そしてそのフリを100点満点のツカミで回収し、ドカンッと会場が湧き、一気に追い風が吹いた。
このフレンチのネタ自体はすでに2018年の敗者復活戦でもしているもので、それをブラッシュアップしてきた形だ。その当時もかなりウケていた。
そして、マヂラブのネタは毎回野田さんの奇怪な動きばかりが注目されるが、村上さんのツッコミに耳を傾けるとさらにさらに深みが増して面白くなる。
そして、ネタ振りの段階の野田さんが静かに話を聞いているのも後から見返すとおもしろい。
Final ステージ
「つり革」
「そのズッ友です」
「これまず何線なの、?」
「......ヒトツクダサイ!!!」
「浮いてなかった?!いま!!」
そして2本目。マヂカルラブリーはこのネタで本当の"漫才王"になった。西の女帝との蟠りが無くなり、自分たちのやりたいネタを存分にやりきった。
題材は誰もが1度は経験したことのあるであろう、"つり革に掴まりたくない"というもの。ただそれだけで1本やり通した。しかもこの大舞台で。これは本当にすごいことで、「これで勝負しよう!」となった背景を想像するだけで焼酎3杯はいける。言葉ではこのおもしろさは伝えきれない。
1stステージ後の
「あんたらアホやろ?」で泣いたお笑いファンは数えきれず、
上沼さんの94点が出た瞬間の二人の顔は何度でも何度でも何度でも見返したい。
あの瞬間に、この3年間の色んな場面がフラッシュバックした。やはりM-1にはドラマがある。
そして、今年はM-1グランプリが公式でYouTubeにネタ動画をアップしてくれている(本当にありがとうございます!)。
そのおかげで、オンタイムで見れなかった人もいつでもどこでも手軽にネタ部分だけを見ることができる。
ただ、ただ、一つだけどうしても言わせて欲しいことがある。あくまで個人的見解だが、
お笑いライブは、特に賞レースは水ものだ。
これだけは声を大にして言いたい。
賞レースには流れというものがある。Creepy Nutsではないが、その時の空気や温度感などちょっとした事で結果は大きく変わる。
その流れを汲まず、切り抜かれたネタ動画を見ただけでは100%のおもしろさは伝わらないと思っている。
特に、マヂカルラブリーや2年前の霜降り明星などはその最たる例だと思う。
また、漫才の定義だのどうのこうのというつまらない議論が一部でなされているが、以下のnote(かべ【雷獣】さん@kabe_raiju)が非常に分かりやすく、かつおもしろい考察をしてくださっている。ぜひ読んでみて欲しい。
思わず長くなってしまいましたが、
大きな大きな壁を乗り越え優勝したマヂカルラブリーさん、本当におめでとうございます!
マヂラブさんの記事もだいぶ前にいくつか書いてるのでよかったらそっちも見てください!
マヂラブさんのおすすめネタいっぱい載っけてます。
マヂカルラブリー①
「これまでの全部がミュージカルだったっていう...ことなのかなぁ?」
マヂカルラブリー②
「夢中になって読んだじゃん、おれの日記。」
マヂカルラブリー③
「おじさんのストレスがトリガーとなって発動しているんだよ。」
漫才王です、漫才王です、漫才王で〜す!!