訓練で料理も 日々進化するリハビリテーションとは? | pasdddのブログ

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 最近、積極的にリハビリに取り組む病院が増えている。脳卒中をわずらっても自宅に戻って社会復帰できる可能性が出てきたからだ。その実態を取材することで、いいリハビリの条件が見えてきた──。

 ここは初台リハビリテーション病院(東京都渋谷区)の2階。理学療法室?作業療法室と呼ばれる広々とした部屋で、今日も大勢の患者がリハビリに励んでいる。

 午後3時過ぎ。息子に連れられて部屋に現れたのは、東京都在住の女性Aさん(72)。5年前に脳出血で倒れ、都内の病院へ搬送された。その後、リハビリを受けるために同院に転院。6カ月間の入院を経て退院した今は、週に1回、外来通院によるリハビリ(外来リハ)を受けている。

 右半身にまひが残るAさんのこの日のリハビリメニューは、調理訓練と歩行訓練だ。医療機関でリハビリを受ける場合は「20分1単位」が基本になっていて、二つのメニューをこなすと2単位40分となる。

 リハビリを担当するのは細めのイケメン作業療法士。Aさんの大好きなスタッフの一人だ。

 調理訓練で作ったのは、スクランブルエッグ。料理のレシピ本を見ながら、まひのない左手だけで卵を器用に割ったAさん。箸を使ってさっくり混ぜてから、フライパンに入れて炒める。飾り付けるプチトマトも、Aさんが包丁を使って半分に切った。

「こういうお料理、以前も作っていたんですか?」と問いかける作業療法士に、にっこりとするAさん。試食も二人で仲良く。スプーンを使って口に運び、「おいしいね」「おいしいですね」と言い合う。

 Aさんの利き手は右だが、これら一連の作業は左手で行う。これはリハビリを始めるようになってできるようになったことだ。この成果に、Aさんの様子を見守る息子は目を細めて言う。

「すごい進歩です。母はもともと前向きなので、『なっちゃったものは仕方ない』って言いながらも、がんばっているんです」

 Aさんは自宅でも、スタッフから指導を受けた自主トレーニングを欠かさない。しかも、その様子や成果を手紙に記して、外来リハに来たときにスタッフに渡している。もちろん、手紙も左手で書いたものだ。

「本当にここのスタッフが好きで、週1回のこの日が来るのを楽しみにしています。そんな母を見ていると思うんです。生きている(使える)側のほうができない側を補うことって、本当にできるんだって」(息子)

 病気やケガ、先天的な要因などで失われ、低下したからだの機能を補ったり、維持したりするために必要なリハビリ。その歴史は意外と浅く、「医学の領域として確立したのは、戦後になってから」と、昭和大学医学部(東京都品川区)リハビリテーション科教授の水間正澄医師は話す。

 とはいえ、リハビリも日々、新たな有用性が認められ、進化している。

「以前は、残った機能を活用して能力を高めていくことが、リハビリの主たる考え方でしたが、今は、脳卒中で起こったまひはリハビリで改善できる可能性があることがわかっています。開始時期も以前より格段に早まり、さまざまなやり方が登場しています」(水間医師)

 重症度やその人の年齢、体力、持病などの要因でも変わるが、在宅復帰や社会復帰する割合も向上しているという。

※週刊朝日  2014年8月8日号より抜粋