またまた寒波がやって来た今週の火曜日、明け方から積もった雪をルーフに乗っけて高速道路を突っ走り、春を求めて伊豆まで出掛けて来ました。

 

 目的地は伊豆の河津町。

近年有名になってきた早咲きの“河津桜”の並木を歩いて、ひと足早く春を満喫する旅です。

 

現地で貰ったパンフ くちゃくちゃにて失礼(^^;

中央下の笹原公園から堤防に上がり、上流に向けてグルリと一周しました

 

桜に合う菜花が植えられた『菜の花ロード』 河津桜なら開花のタイミングも合わせやすいですね

 

客はまだ少ないですが、出店はもうオープンしています

 

この辺は桜の木がまだ小さいので、桜のトンネルになっています

 

開花は木によって多少違いますが7分~満開ってところ

 

花は梅に近い紅色ですが、花びらが大きくて見映えがしますね 塩漬けに良さそう(^^;

 

 

 この時季には休日・平日を問わず大混雑する河津の町、事前に『朝9時までに到着しないと駐車場はありません』という情報をYoutubeで仕入れていたので、前夜は熱川で一泊し、朝8時半の到着でした。

お陰で駐車場もまだ三分ほどの入りで、観光客の数も少なく、余裕で歩き回る事ができました。

 

来宮橋で南側の対岸に渡ります ここからは両岸に桜並木が続き、壮観ですね

 

南岸の並木道は人もまばら バスツアーの人達とかはこちらまでは来ない様ですね

 

北岸の桜も見事だ♪

 

初期に植えられた場所なのか、木が大きくなって来ましたね

 

観光客よりも地元の方の犬の散歩が多い気がします

 

 

 河津の桜は町の中央を流れる河津川の両側堤防に約3㌔にわたって植えられており、その通り抜けがメインになります。

したがって結構歩きますが、満開になった桜の木がまだ大木ではないので花が近いのと、“河津桜まつり”で沿道に無数に出ている店舗が趣向を凝らしていて、飽きる事はありません。

どうもテキヤさんではなく、地域の商店主や地場産の農家さん、漁師さんが主体の様ですね。

 

 平日なので観光客も子供連れはほぼ居なく、同輩のリタイヤ組が中心でしたので、春を待ちわびた者同士和気あいあいと、のんびりと“ひと足早い春”を満喫する事ができました。

 

並木を少し逸れると峯温泉の間欠泉が有るので、寄り道して行きます

 

蒸気が噴き出すという事は沸騰しているので、温泉卵が作れます

 

挑戦して見ましたが、13分で丁度好みの半熟に茹で上がりました。

Sサイズで1個100円 ちなみに、食べても寿命は延びないそうです(^^;

 

蒸気が増しほぼ1時間おきの噴出時刻になったので、風上の高所から見学します

 

出たぁ!! 雲と同色で見分けにくいのですが、地面からは30m吹き上がるそうです

 

 

 河津桜は寒桜の一種に分類され、寒緋桜と大島桜の自然交配で自生した新種だそうです。

寒緋桜の早咲きと紅色の特徴と大島桜の大輪の華やかさが掛け合わさっていて、馴染みの深い“ソメイヨシノ”とは一風違う、ちょっと豪華さを感じさせる桜ですね。

 

 この桜を発見したのは、河津町在住の飯田さんとうい方で、河津川畔を散歩中に河原に咲いている幼木を見付け、自宅に持ち帰って庭先に植えたのが始まりだそうです。

1955年の事ですから、桜の歴史にすればつい最近の事ですね。

 

河津も湯の街、源泉付近は常に湯煙もうもうです 冬は温かいでしょうが、夏場はどうなんだろう…?

 

桜並木の散策に戻ります 背後の斜面にも集中的に植わっていますね

 

心なしか、上流の木の方が開花は進んでる気がします

 

桜並木も終わりが近付いて来たので、対岸に戻る事とします

 

いでゆ橋を渡りましたが、橋上からの川下の眺めも絶景ですね モコモコに咲いてる

 

 

 最初の頃は開花しなかった様ですが、飯田さんの永眠に合わせる様に10年後から花を付ける様になりました。

その見事さは近所で評判になって、やがて町内にも口コミで広がり、栽培希望者が殺到したので、原木の成長を待って1968年頃から接ぎ木で次々に町全体に植えられる様になって、現在に至っています。

 

さらなる絶景を求めて、般若堂の見晴らし台に登りました

あいにく雲が広がり出して色が出ないけど… うん、これは絶景だ!

 

裏山の竹林でチェンソーの音が煩かったけど、これを造ってたんですね

 

休憩時間を利用してか、ウサギも造ったみたいですね(^^; こうゆう遊び心が大事です

 

雑草職人も、早くも出動していました

 

駐車場近くに戻ると、朝と違って観光客でごった返していました

 

 

 1974年に学者さんから“新種”のお墨付きを得た桜は、改めて『河津桜』と命名され、町木にも指定されたそうですから、当時の町の幹部には、現在の様に桜を町おこしの主役にするという“百年の計”が有ったのでしょうね。

 開花しても一週間ほどで散ってしまう桜ではコスパ悪そうにも思いますが、河津桜は1ヶ月咲き続け、満開の花を楽しめるのです。

そのメカニズムは…と言うと、開花が早いぶん“種の保存”の受粉を助ける虫類の活動を待つ必要があり、長く開花状態を保持する特性が有るんだそうです。

それに人間界の都合ながら、季節を先取りするアドバンテージがあり強力な主役たり得た…という訳です。

 

 

河原に下りて、低所から並木を見上げて見ます 上流側

 

そして下流側

 

出店も賑わって来てたので、ここでお買い物

年寄りが買ったのは、椎茸と桜エビの干物と河津桜の苗木を一本でした(^^;

 

沿道のご家庭でも庭にこんな植栽をして、町おこしに一役買っている様です

 

またちょっと道を逸れて、飯田さんのお宅に河津桜の原木を見に行きます

すべてはこの木から始まったんですね

 

 

滞在5時間 桜をじっくり堪能して、午後1時半に河津を後にしましたが、対向車線には駐車待ちのクルマが延々と数㌔も繋がっていました。 平日でこれなら、休日にはどうなるんだろう? 伊豆急線を利用して数駅離れた場所からのパーク&ライドがお奨めですね 

 

 河津桜は河津川沿いの堤防に850本、町内には8000本が植わっているそうですが、樹齢は長くても50年ほどですから、まだまだこれからその魅力度を増して行く事でしょう。

 

 為政者は任期内での実績を重視し、有権者も先がどうなろうと即効性ばかり求める、現代人が失なった世代を超えた伝承と継続性の重要さを痛感しますね。