今年初めて栽培したひょうたん。
 
 9月のはじめに収穫して、3週間の水漬け、そして腐臭にまみれての果肉出しと大変でしたが、乾燥は順調に進み、10月中旬には乾燥ひょうたんが完成しました。
 
さっそく依頼主の娘夫婦がやって来て、気に入った物を選別して持ち帰りましたが、まだこんなに残っています…。
 
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 何とか処理しないといけないけど、此処までの苦労を想うと捨てるのは無いので、暇にまかせて“ひょうたん水筒”の製作にチャレンジしてみます。
 
まずは色塗りです。
 それまでの先入観から、漆かカシューを考えたのですが、技術的なハードル高いし、天然素材に樹脂系のツルンとした仕上がりも何だかなぁ…
という事で、今年は家にあった柿渋でやってみる事にしました(^-^;
 
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サンドペーパーで表皮の異物や脂分を落として、絵筆で塗って行きますが…
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どうも塗りムラが目立って上手く行きません。
 
そこでペンキバケツと刷毛を使って、ドブ浸け方式で試してみます。
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バケツの中で塗料をジャバジャバ掛けながら、ひょうたんをクルクル廻して載せて行きます。
すると、まあなんとか見られる程度には塗装が仕上がりました(^^
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次は艶出しです。
何種類か油脂を試してみましたが、これは荏油がイイ感じですね。
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*白いボトルは蕎麦打ちの麺棒に使ってるクルミ油です
 
 ここまでやって、やはりプロの技も見ておきたいので、岐阜の養老へと出掛けました。養老はひょうたん栽培~加工の一大産地です。
 
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 訪ねたのは養老公園内にある『吉田商店』で、ひょうたんらんぷ館を併設し“ひょうたんバカ”を自認するご主人は、あらゆる質問に懇切丁寧に答えて下さいました。
 ご主人の一番のコダワリは“生地”だそうで、敢えて塗装はしないんだそうです。
もう塗ってしもた…(^-^;
 帰り際には『来年用の種』まで土産に戴いたので、水筒に着ける“房”をまとめて調達させて貰いました。
 
 
 ひょうたん水筒にもうひとつ必要なのが“木栓”です。
これはぜひ自作したいので、僅かながら投資します。
 
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木工用ミニ旋盤ですね。
 旋盤を最後に使ったのはもう40年近く前になります(もちろん金属用のデカイの)。
これに材料の丸棒をセットして、削り出して行くのですが、ミニの安物だからユニバーサルチャックなど無くて、センター出ししてキリ穴+固定切り込みを入れる前段取りが必要です。
 
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両端とも専用治具で線を引きセンター出しして、中心にキリ穴をあけます
 
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片方には鋸で回転止めの十字の切り込みを入れ、やっと材料セット完了
 
さて、いよいよ加工です。
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スイッチを入れて回転させ、鉛筆で加工範囲のケガキ線を入れます。
次にケガキ線の上から刃具で溝を彫り、加工エリアを決めてエリア毎に加工して行きます。木栓は小さな物なので、2個取りで加工します。
 
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ひょうたんの口に嵌る部分は、ノギスで計測しながら慎重に削ります。集中!
 
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切削が完了したら表面をサンドペーパーで仕上げ、中央の切り込みを深くします。
 
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旋盤を止め製品を取り出したら、ポキンと2つ折り。
 
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両端の余材やバリは電動ドライバーのチャックにセットしてヤスリやペーパーで仕上げます。
最後に房ひもを通す穴をあけたら完成。
塗装はひょうたんと同じ柿渋で。
 
 
 最期の仕上げは房の飾り付け。
 
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吉田商店さんは取り付け方法のマニュアルを添えてくれてて、助かりました(^^♪
 
ひとまず第一弾の完成です。
 
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らんぷも、作ってみようかな(^-^;