10月の第三土日は川越まつりです。
正式には“川越氷川祭”と言うんだそうですが、江戸の“天下祭り”の形式を踏襲した関東では珍しい山車曳き祭りです。
 
イメージ 1
本川越駅前が新宿駅東口のアルタ前状態です
 
イメージ 2
山車を曳かない道路には露店がビッシリ 出店する露店の数は千を超えるそうです 
 
イメージ 3
赤が通行止めの道路で、山車は南北に延びる道路を中心に曳かれます
 
 全国区の有名な祭りではないものの、首都圏+交通の便が良い事と相俟って、二日間で百万人以上の観客を集める盛大な祭りになっています。
 
 この祭りの発祥はといえば、江戸初期に川越で大火があり、町の大半が焼き尽くされてしまいましたが、直後に川越藩主となった松平伊豆守信綱が領民の心の復興を願って、氷川神社に神輿を贈り、氷川神社の神事として始まったのだそうです。
 
イメージ 4
“蔵の街通り”に入って最初に出会えた“太田道灌”の山車 
雨の予報だから、山車も低くしてテントを被せてあります。人形が見られないのは残念ですね
 
イメージ 5
反対側から来た山車とすれ違います “小狐丸”の山車ですね
 
イメージ 6
おっと、車台はそのまま、上の舞台が回転して、“お囃子”の競演です
 
 それが町の発展と川越商人の繁栄に伴って次第に派手になって行き、江戸の神田祭りの影響を強く受けて、町内ごとに山車を造って曳き回す形式に落ち着きました。
 
イメージ 7
次に来た山車は人形まで出したフルバージョンです これは“翁”の山車ですね
 
イメージ 8
この町内の五人囃子は全員女性でした イナセだね~
 
 
 明治以降、電化が進んで行き、町の辻には電柱が建って電線が張り巡らされる様になると、背の高い山車の曳行が困難になり、三社祭り、神田祭りも山車曳き祭から神輿祭へと変貌して行きますが、川越まつりは360年間にわたって山車曳きまつりの形式を守り続けている事から無形文化財指定された祭りなのです。
 
イメージ 9
蔵造りの街まで来ましたが、人は多いけどクルマが居ないと歩くのも楽です
 
イメージ 10
時の鐘の通りも見物人でイッパイです
 
イメージ 11
“これは可愛い!” 粋にキメてますね(^^) あ、ママさんに了解もらったので大丈夫です
 
 
 祭りが近付くと一週間前から川越の中心街には紅白の幕が張り巡らされます。
これは雰囲気を盛り上げると同時に、 車両通行禁止範囲を表わしているんですね。
 そのエリアは、祭り当日には露店が並び、歩行者天国になり、川越の三つの駅からは、マイカーはおろかタクシーもバスさえも締め出されてしまいます。
 
イメージ 12
電柱のエリアを通り抜けた山車が停止して“変身中”
 
イメージ 13
山車は三層構造になっていて、舞台の後ろから中段がせり上がって行き、その上に人形が出てきます これは何の人形でしょうね? ヒントは笹りんどう紋と京の五条大橋…
 
イメージ 14
正解は “牛若丸” でした
 
 
 さて土曜日、祭りの当日になりました。まず市役所前の広場に向かいます。
山車の観覧のメイン会場になってるのがこの場所で、曳行される山車は各町内から必ずこの広場を通ってお披露目してから、各町内へと散らばって市内を曳き回されて行きます。
 
イメージ 15
“弁慶”の山車がやって来ましたが、レインコートを着ています(^-^;
この山車は安政3年の製作で県指定文化財ですから 仕方ないか
 
イメージ 16
市役所前に来ました。
山車曳きの行列は、先頭に前触れ、露払い、高張提灯が居て、その後に手古舞衆、曳き手衆が続きます。 動きは宰領(中央タスキの人)が拍子木で指図します
 
 今年の山車は21台が曳行される様ですね。
川越の山車の数は、最初は旧10町の10台で始まった様ですが、川越の発展と拡大に伴ってどんどん増えて行っています。
 現在登録されている曳行に参加できる山車は29台あって、記念の年(市制90年記念とか)は勢揃いするそうですが、『まつり会館』に展示もしてあるし、混雑や警備の都合もあってこの台数らしいです。
何らかのルールで参加する山車を決めてるんでしょうね。
 
イメージ 17
“徳川家光”の山車がやって来ました
メイン会場では山車同士のドラマチックな掛け合いが見どころです
 
イメージ 18
反対側からも山車がやって来ました
 
イメージ 19
『我は将軍家光である! 頭が高い、控えおろう!』  『ゴソゴソ…』
 
 
イメージ 20
ジャ~ン『八幡太郎 源義家である。 何ぞ言うたかの?』 『げっ!?… いえその…』
 
イメージ 21
『なんと、五百年の後の我が子孫とな? はて…そちの様な者がおったかの?』
『いえ、あのつまり… 祖父の家康が…』(*_*;あたふた
 
 
 川越の山車の特徴はと言えば、最上段に取り付けられた人形にあります。
それぞれの山車がいろんな人物を題材に人形飾りを取付けてあり、山車自体の識別がその人物名で呼ばれています。
人形と言っても、手作りのハリボテではなく、雛人形の産地:岩槻の人形職人のうち名工と呼ばれる人が手掛けたものが殆んどですから、それ自体が芸術品の文化財なんですよ。
 
イメージ 22

 
つづく
*写真で容量がオーバーするので、2回に分けます