8月5日(土曜日)、かねてから企図していた皇居の一般参観に行ってきました。

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江戸時代の江戸城である皇居。 旧本丸と二ノ丸跡の東御苑は公園的に開放されてて、比較的気軽に入れるのですが、天皇陛下がお住まいで、国家行事が行なわれる西ノ丸エリアは厳しい規制があり、自由には入れません。

 一般人が西ノ丸に入る方法は(特別に褒章される等をのぞき)3通りあります。
  ①正月の一般参賀 正門から入り、宮殿前でバルコニーの陛下に手を振っ
 て、坂下門から出る 
 (申し込みや審査もなく自由参加だが、参加者が多く一直線に通り抜けるだけ)
  ②桜の季節の通り抜け 坂下門から入り、蓮池濠沿いの桜並木を通り抜
 け、乾門から出る 
 (申し込み、審査は無いが、手荷物検査はある 警備が厳重で参加者も多い)
  ③土日を除いて毎日行われてる一般参観 桔梗門から入り宮殿周辺を周遊
 して戻る 
 (申し込み制で人数限定だが、宮内庁職員が説明しながら案内してくれる)
もちろん、すべて無料で参観できます。

 自身は3年前の②に参加して、道灌濠の写真をゲットしましたが、③の内容が去年から大きく緩和されたとの情報を仕入れたので、詳しく調べてみました。

まず、平日限定だったのが火~土に変わり、サラリーマンでも可能になりました。
次に、一日一回だった参観が、午前と午後の二回に変わり、倍の人数が参観できる様になりました。
そして、事前の申し込みが必要だったのが、当日参加も可能になっていました。
コースもまだ未踏の新宮殿から二重橋、紅葉山近くを通ります。
これは行くしかない!いう事で、当日参加コースで参加します。

以下、そのドキュメントです。


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AM9:00  東京駅前の和田倉門内のとある愛好者の集う秘密の場所にいます。
       (別名:喫煙所とも言うけど
朝10時からの参観に合わせてやって来ましたが、当日参加者には8時半から整理券が配られ(先着150名)ます。
この時刻を30分間違えてて、もうこの時刻。 半ば諦め気分で午後の部の配布時刻を調べながら一服^_^;

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和田倉の噴水も取水制限で止まってるみたいで、暑い!

 AM9:10 いちおう、配布場所の雰囲気だけでも見ておこうと、桔梗門前まで来ました。 ところが
桔梗門前には当日参観希望者の待機場所があり、ここで整理券を貰うのですが、思いのほか人数が居ません。
これは!と期待して宮内庁の係員らしき人に整理券はまだありますか?と訊いてみると、ありますよと即座に渡してくれました。
『9:30から受付をしますから、此処に並んでくださいねとの事です。

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貰った整理券には連番があって、何と61番でした。
8:30から配布を始めて40分で61人/150人ですから、枠のハードルは高くない様です。



9:30  指定された場所に一列に並びます。
それでも100人も居ないくらいですから、定員割れですね。
 参加者は日本人と外国人が半々くらいで、ここで整理券と身分証を見せて事前チェックを受けます。
問題のありそうな人(酔っ払いとか)をザッとチェックしてるのかも。
日本人はだいたい運転免許証、外国人はパスポートを見せています。


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桔梗門から入るのは初めてです

9:40 チェックが終わって、係員の先導で列を作って行進し桔梗門を入って行きます。
桔梗門の中は三の丸ですが、入ってすぐの所にある窓明館(休憩所)に一旦集められます。
ここで簡単な荷物チェックと申込書の記入があり、その後30分ほど待たされます。
きっとこの間に警察系のデータベースとの照合がされてるんでしょうね。

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手荷物検査は東京ドームレベルでした

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待合室はゆったりしてて、そう苦にはなりません

その間、参加者は館内にある売店で土産物を物色しています。
皇室関係の菊紋入りグッズとお菓子が殆んどなので、欲しいモノも無いのですが、後々の事も考えて、奥さんの好きなお干菓子を購入しました。

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参観開始です

10:10 参観に出発します。
全員が外に出て、列になりゾロゾロ歩いての参観で、宮内庁の職員が数人で説明しながら周囲をガードして移動します。
もちろん要所要所には皇宮警察の警官が立って睨みを効かせていますが。

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奥に中ノ門の石垣と百人番所が見えてます

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下埋門は初見参 完全に閉鎖されてますね

10:15 富士見櫓の下まで来たところで止まって、職員の説明を聞きますが、特に新たな情報はありませんでした。


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富士見櫓をこう見られるとは(^^)

10:20  宮内庁庁舎前でまた説明を聴きます。


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何を言ってたか覚えていないのは…

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坂下門の写真を撮りに行ってたからですね(^-^;
 
10:25  新宮殿への坂を登って行き、長和殿の正面に来たところでまた説明を聴きます。

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新宮殿へと登って行きますが、結構な坂道でした

 広場の遠い位置から規模感を確認しますが、この皇居新宮殿のある場所は江戸城西ノ丸御殿にあたり、本丸大奥に匹敵する広い平坦地が広がります。
 西ノ丸は主に隠居した将軍(大御所)が住む御殿で、妻娼、女中の全てが引っ越して来ますから、それだけの受け皿が必要だったのでしょうね。
 家斉→家慶の時は、逆に本丸御殿の方が閑散としたかも知れません^_^;


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長和殿の長さは150mあり、100mのバルコニーが付いてるそうです

10:35 たぶん宮内庁がツアーのハイライトと考える、二重橋へと移動して説明を聴きます。
二重橋は現在は鉄橋が架けられていますが、江戸城では高さがある為に単重の木橋では架橋が困難だったので橋桁を二重に造ったからそう呼んだそうです。

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書院前門は現代風の門に置き換えられています。 門の向こうが二重橋

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江戸時代の二重橋はこれで…

 事実、橋の上からは見晴らしが良く、いつもの皇居前広場からと反対の景色が楽しめる、撮影スポットですね。
更に北側には、京都二条城から移築したという伏見櫓の優美な姿を至近から堪能できます。

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これではありません。(石橋は西ノ丸大手橋だそうです) 天皇陛下目線でパチリ

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伏見櫓は近くでもキレイですね。


10:45 長和殿前まで戻って来て、今度は近くから正月の一般参賀の際の説明です。
皇族が立たれる位置や当日の参賀者の動きなどが解説されましたが、今日来てる参加者の殆んどは正月には東京に居ない人達でしょうね。


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予想以上に近くです。まぁ、厚い防弾ガラスでしょうけど

10:50 新宮殿玄関前で説明。
玄関に入る階段は内閣が組閣されて天皇の認証を受けた後に写真を撮る場所だそうです。そういえば

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この玄関前は富士見櫓が綺麗に見える撮影スポットでもあります。


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10:55 宮殿と宮内庁庁舎の間を北に抜けて、紅葉山前で説明を聴きます。
紅葉山は江戸城でも最高所にあり、水堀で囲われた堅固な郭になっています。 
道灌の江戸城の本丸ではないか? と思っていたのですが、どうも違う様です。

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正面の森が紅葉山

 北条氏の頃に神社が造営されていて、家康が入府後もしばらくそのままでしたが、家康の死後、ここに霊廟が造られ、後には紅葉山東照宮へと発展して行きます。

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近づいて見ると、草刈りボランティアが必要そうです

 山の麓には御殿がありましたが、二代:秀忠~六代:綱吉まで、将軍が死ぬと次々とこの地に霊廟が造営されて行きます。
川越喜多院の書院、客殿はそのタイミングでの移築だったのかも知れませんね。
現在、紅葉山には御養蚕所御用田が有るそうです。

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11:05  紅葉山を右手に見ながら、坂をゾロゾロ降りて行くと、蓮池濠沿いの道に出ます。
 の桜の通り抜けに使うお馴染みの道ですが、この時期は蓮池濠の名の通り蓮が咲いて、また違った良い風情です。

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ここからは来た道を逆戻りで、富士見櫓の下を通り桔梗門傍まで戻ります。


11:15  門前での解散となりました。


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桔梗濠の横を通って東京駅へ向かいます

1時間あまりのツアーでしたが、思ってたほど警備の厳しさを感じる事もなく、職員の説明も事務的にならずユーモアも交えた素人にも判りやすいもので、皇居内の知らない場所をこの眼で見れて、とても満足の行く参観となりました。

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東京駅は、いつまで工事してるんだろう?

 参観者の過半が外国人で、子供連れも多く見かけたのに対し、日本人は高齢者が目立ちます。
 日本人ならではの感動が有るので、この夏休みに将来を担う子供達を連れてファミリーで気軽に参加して欲しいツアーですね。