左回転(反時計廻り)にゆっくりとハンドルを廻して行きます。
速度は1回転=2秒くらいが最適だそうです。
意外に軽く廻りますが、蕎麦の実が潰れる感触が伝わって来て、やがて蕎麦殻が弾け出てきます。

そうすると臼が重くなるので、上から順次蕎麦の実を投入して行きます。
投入のペースは蕎麦粉の粒度に影響し、実をたくさん潰してると上石が浮いた状態になる為、実が十分に粉に粉砕されずに排出されてしまうのです。
石臼から出て来る粉の状態を見ながら投入量をコントロールしますが、今回は“お試し”なので、3回転毎に50粒を目途に挽いて、結果を見てみる事にします。

半分(500g)を挽き終わりましたが、周囲にかなり粉が積もって来ました。

全量挽き終わりました。
所用時間は約30分です。

石臼をどかして、挽き台の粉をすべてボールに移します。
臼のどの部分で磨り潰してるか良く判りますね。
次に粗目のフルイに掛け、蕎麦殻だけを取り除きます。

ここで計量すると820g。 つまり歩留り82%という事ですね。
さらにこれを細目のフルイに掛け、一番粉を取出します。
蕎麦に捏ねる粉は、この細目フルイを通ったモノだけにして、蕎麦の肌理を良くします。

一番粉は蕎麦の実でも粉砕されやすい中央の部分が出て来るもので、味も香りも薄く、白くてサラリとしているので、蕎麦打ちの時の“打ち粉”にも使います。
一番粉だけを計量すると470g。 石臼への実の投入はもっと少なくして、ゆっくり挽いた方が良さそうですね。
細目フルイに掛かった粗い粉350gを再度石臼で挽きます。

殻付きの実に比べれば細かいので、臼の回転は極端に重くなり、これはもう男性限定の仕事になってしまいそうです。
二番臼が終わったら再度細目フルイに掛け、二番粉を取り出します。
しっかり挽いたからか、フルイに残るのはもう殻のカケラなどのゴミ状のものだけです。

二番粉は一番粉に比べて薄茶色っぽい色合いですが、これは実の薄皮の部分の色で、蕎麦の栄養価と独特の風味、そして麺としての粘りの殆どはこの部位から出てきます。
さらに強い香りを楽しみたい時には、最初に廃棄した蕎麦殻をもう一度挽いて、微粉末を抽出して加えれば良いそうで、ひとつの蕎麦の実でも挽き方やブレンドで、色んな楽しみ方が出来そうですね。
つづく