吉野は修験者が宿泊する“宿場町”の側面もあり、各寺院は宿坊を備えていて、現在は本格的な“旅館”として営業している宿坊も少なくありません。
今回はそのうちのひとつ『竹林院群芳園』にお世話になりました。

 

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旅館の本館と玄関
桧皮葺の大屋根を持つ由緒ある建物です
 
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正式な玄関式台
高貴な客はこっちから?
 
 この寺“竹林院”の歴史は、本当かどうか判りませんが、聖徳太子が開創して椿山寺と呼んだのが始まりだそうで、確かに吉野の家並みの一番奥の、高台に位置しています。
その後、弘仁年間(810~824年)には空海が入り常泉寺と称したそうです。
南朝が賀名生に逃れた後の1385年に竹林院と改められましたが、真田幸村とは関係ない様ですw。

 

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数多の著名人が宿泊した本館
 
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我ら庶民はこうした棟に泊まります
 
 明治の神仏分離で一旦廃寺になりましたが、すぐに天台宗の寺院として復興し、戦後は修験道の寺院として宿坊の機能を拡大しつつ現在に至ります。

 

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客室の建物に守られた山門    関西人は逞しいのです
 
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旅館業が忙しいからか、本堂は寂れた感じ…
 
 
 『群芳園』というのはこの寺院の庭の名前で、戦国末期に千利休によって作庭され、後に細川幽斎が改修したという、当代きっての文化人が手掛けた回遊式庭園です。
秀吉の花見の時の宿所になったのかは不明ですが、それに合わせて整備されたんでしょうね。
 
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石をふんだんに使った桃山様式の意匠です
 
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吉野だけに、枝垂れ桜を大きなアクセントにしています
 
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紅葉の頃が一番綺麗かな?
 
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園内には古いお堂なども随所にあります
 
 大和三庭園のひとつとされ、庭の散策も大きな楽しみです。
庭園のみの入場料は\300、宿泊客は無料です。
早朝に浴衣がけの下駄履きで散策するのも気持ちよいものですw

 

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