関東の城探訪  東京都  石神井城                登城日2014.06.22
 
岡の城は誰が造ったのか?… このネタはハズレだったので、今回で強引に幕引きを図りますw
 
最終回は豊島氏の本拠地:石神井城を訪ねました。
 
イメージ 2
石神井公園の散策路 まさに都会のオアシスです
 
 都内にお住みで、石神井公園に行った事のある人なら誰でも知ってるでしょうが、三宝寺池の南側にある高台一帯が石神井城址です。
 アクセスは西武池袋線の“石神井公園駅”で、徒歩で5分ほど南下すれば石神井公園に辿り着きます。
 
 この公園、石神井川の北隣りの谷間にある二つの溜池を中心に造ってあり、谷間に沿って東西に細長く、城址までは徒歩20分はあります。
 池の北岸は広い歩道になっていて、散歩やジョギングの人達に混じって景色を愉しみながらのんびり歩けるので、まったく苦になる距離ではありません。

イメージ 3
池のむこうの森が城址
 
  奥の池(三宝寺池)の中どころにコンクリート製の太鼓橋があり、渡って行くと石神井城址のエリアに入ります。
大きな木々が鬱蒼と繁っていて、大きく見えますが、中に入って見ると池の水面からは10mほどの低丘なのが判ります。 
池の幅が100m弱なので、強弓なら届くかも知れませんね
 
イメージ 4
  
 イメージ 5
主郭跡の土塁
遺跡保存の為、立ち入り禁止になっているが、目的によっては“応相談”の様です
 
 橋の袂に城址の石碑があり、その上の高台が主郭跡の様ですが、生憎フェンスに覆われてて、入る事はできません。 
外から見る土塁形状から、15m四方ほどの規模かなぁ。 
豊島氏ほどの規模であれば、主殿はここではありませんね。
 
 主郭の西側の堀底道を登って行くと、その西側にも広い平坦地があります。 
ちょうど氷川神社の裏手の場所で、たぶん常御殿はここにあったのでしょうね。
 
イメージ 7
主殿があったと思われる平場
 
 そこから南の城域は、石神井川に向けてなだらかに下がって行きますが、都心の城址なので、もちろん今は住宅街の地下です。
東西の境界もハッキリしませんが、案内板を見る限り、400m四方ほどのそこそこの城域だった様です。
ただ、要害の要素が少なく、城というよりも御殿だったのでしょうね。
 
 戦闘する場合はそれぞれの勢力が何処かの原っぱに集まって、屋外戦で決着をつける…それまでの戦の作法に則った旧い形態の城だった様です。
長尾景春は決死の覚悟で鉢形城に拠って、長く抵抗したのとはちょっと違う感覚です。
 
イメージ 6
縄張り図
豊島氏の本拠だけあって、結構な広さです 
 
 
さて、岡の城は誰が造ったのか? これに結論を出さなければいけませんね。
 
まず領地が西と北に隣接する大石氏と難波田氏にはその余裕が無く、敢えて出張って行く理由も可能性も殆ど無でしょう。
 
 次は太田道灌ですが、自らの拠点として江戸城を築き、主君の居城河越城との中継点として築く事は考えられますが、そもそも此処は豊島氏の領内。 『長尾景春の乱』勃発以降でなければ出来ない事です。 
そして両者の戦いは乱の勃発後半年足らずの“短期決戦”で終わっています。
とても新城を築く時間の余裕はありません。
豊島氏滅亡後、その領地は円満に道灌のものになっていますから、新城の必要なですね。
 
 『長尾景春の乱』以降の、太田氏没落後に扇谷上杉氏が北条氏の侵攻に備えて造った…という説もある様です。
 私が思う築城の基本は、大きな河川や河岸段丘など、自然の障害物の内側に、それを補完する形で造るものだと思います。 
つまり、対北条なら荒川北岸…という事で、すぐに囲まれて補給も困難になる南岸には造らないし、無理に造っても城将にすれば“見捨てられた”背水の形では戦意も上がらず、使えないでしょう…。 
だから扇谷上杉氏なんだという解釈は出来ますがw
 
 と、いう事で、消去法で結局は“豊島氏が造った”という事に落ち着きますw
一番の理由は領内:新座郡の、北側の荒川河岸段丘のラインにあるという事で、このラインに幾つもの城が連なっています。 
おそらく、その中間に小さな砦はもっと有った事でしょう。
 
 岡の城も連なる砦のひとつとして開発されたものの、主要街道や渡河地点の関係で重視されなかったのが、記録に無い理由ではないかな?
 ただ、太田道灌の江戸城築城に対抗して豊島氏は“練馬城”を拠点に、川越街道を遮断しに掛かります。
 
 練馬城は今の“豊島園”で、遺構は無くなっていますが、川越街道からは少し南に寄り過ぎ、関所機能が果たせたとは思えませんから、この時には岡の城にも幾らかの人数を入れ、練馬城と連携して街道を抑え、同時に北の扇谷上杉勢力への見張りの役割を果たしていたのだと思います。
たぶんこの一瞬が岡の城の最盛期だったのでしょうね。
 

イメージ 1

 
 
尚、この結論は私的感覚による学術根拠の一切無いものですから、引用不可です。
素人の戯れ言でござるよw