余録:避難誘導とパニック
地震や火事が起きた時、大勢の人が先を争って逃げようとお互いを踏みつけたり押しつぶしたりするのがパニックのイメージだ。
だが災害心理の専門家はそんな想定を「パニック神話」と呼んでいる。
▲現実の災害では、その手の集団的な異常行動が起こるのはまれだという。
むしろパニック神話にとらわれた責任者が混乱を避けようと危険を軽視し、避難誘導が遅れて大惨事をもたらすケースが目立つそうだ(広瀬弘忠著「人はなぜ逃げおくれるのか」集英社新書)。
▲避難誘導がなかったのとパニック神話との関係は分からない。
だがよくぞ全員がパニックも起こさず、ぎりぎりのタイミングで暗闇を脱出できたものだと冷や汗が出る。
乗客の自主的な避難が大惨事を防いだ北海道のJR石勝線トンネル内での特急炎上事故であった。
▲結果的に乗客の避難誘導ができなかった乗務員の行動は、ほぼJR北海道のマニュアル通りというから皮肉である。
規則では炎を目視できなければ「火災」とはいえない。
乗客が危険を感じ避難を始めても、乗務員は「火災でない」との判断にとらわれ続けたようだ。
▲「エキスパート・エラー」は非常事態のプロがかえってその専門知識のために人々の避難行動を阻害するような誤判断を指す。
災害や事故に対応する責任者は思い込みや規則にとらわれて目前の危険を見失ってはいけない。
▲そういえばつい先ごろも原発事故の放射性物質拡散予測データを「パニックになる」と公表しなかった政府関係者の釈明を聞いた。
世の中には人のパニックを心配するより、自分らの判断の見当外れを心配せねばならぬ人たちが多すぎる。
***社説終わり***
自分の身は、自分で守る・・・言葉にすると軽いですが、セルフディフェンス能力は、これからの日本でますます重視されていくと思います。
学校の勉強と関係ないようですが、数学的思考と国語力が関係していると思います。
もちろん、理科的な知識があれば色々な減少が予測できることは言うまでもありません。
パスカル進学教室(茂原)