昔録音したカセットテープ、生き返る
写真のカセットテープは、実に約50年前に録音した内容が、
今でも再生可能だ。
当時のFM東京(現在は名称変更されているかな)の年末のジャズの
ライブ録音された番組を60分テープを3本にわたって録音したものだ。
年末のクリスマスパーティを模してジャズコンサートとしたのだろう。
出演者は、北村英治クラリネット、松本英彦サックス、世良譲ピアノ、
そして、マーサ三宅女性ボーカルなど日本のスイングジャズのスター
ばかりだった。
司会が藤岡琢也で渡る世間は鬼ばかりで活躍した俳優で熱心なジャズファン
であった。
ただ、残念なのは、3本の内の1本しか残っていない。
録音した機材は、SONYのローエンドのステレオで録音できるが、
とてもオーディオ用とはいえない機種であった。
録音レベルも自動的に録音されてしまうので、音源が大きな音量になると
録音レベルが下げられて、その分音が割れることを防ぐといったものであった。
それでも、FMラジオのステレオ放送がステレオサウンドでカセットに録音できる
ということ当方にとっては画期的であった。
このステレオカセットテープレコーダーは、たまたま父がSONYのカラーテレビの
製造工場の労働者であったおかげで、社員割引で格安で抽選購入できたからであっただろう。
まだまだ、めずらしく、貴重でもあった時代ではなかったか。
この写真は最近ヤフオクで落札したマイクロコンポのカセット部と
上記の昔のカセットテープをマウントしようという場面
そもそも、当方がカセットテープに遭遇したのは何時だったか。
上記のエピソードよりはるか以前で、時代はさらに遡るのである。
英語の私的な塾の先生が本業の会社から自宅に持ち帰ったフィリップスの
カセット録音機だったのだ。
この先生は、ベテラン商社マンで、ちょっとした小遣い稼ぎか、
あるいは地域に貢献するために子供達に英語を教えてくれていたのだろう。
ある時、塾生全員の発音を録音してくれて、みんなで聴いてみたのだった。
例によって、自分の声とは思えない声質であった。
この場面は、今でも記憶している。
小型のオープンリールのテープを使うテープレコーダーですら珍しかった時代
だった。
因みに、カセットテープの規格、発明はオランダのフィリップス社であったと
記憶している。この特許は無料で開放されていたのかは、確認していない。
まだまだ、FMラジオ放送をステレオサウンドで録音する時代ではなかったかな。

