○STAP細胞事件とIT業界
・STAP細胞は存在しなかった。ES細胞が混入したことにより、
万能細胞の様な現象を呈した。
・悪意の論文発表だったのか、単純な勘違いだったのか?
→IT業界では、機能、品質、性能などで、結構いいかげんな説明をする。
提供条件で、いろいろ制限を付けて責任回避ルートを確保しておくのが
通例である。
・O氏はなぜウソをついたか?
→専門領域になればなるほど、論文内容を正確に理解できる人口は少なくなるので、
何を言っても、論文で書いても、まかり通るとでも安易に思っていたのであろう。
科学史上、はじめての事や画期的大発見に相当する内容であれば、ましてやである。
ITの世界でも、人口知能とか自動翻訳、自動診断などといったキーワードが
現在では、ますます頻繁に現れるが、とてもじゃないが字面通りの機能にはなって
いない。
そもそも、モデル化した世界で、都合の悪いノイズは無いものとして、記憶容量は
無限に有るとして、などなど、勝手な前提条件をさんざん付けた上で、ああできた、
こうできたと発表するのが当たり前である。
研究開発予算を国や組織内でブン取るためには、はったりやアドバルーンを上げる
のは、日常茶飯事なのである。
・O氏単独の行為か?
・複数、グループあるいは組織だった行為だったのか?
→当事者本人も、本人の上司、本人の所属部門や組織・機関など、どいつも、こいつも
皆さん、ウソに限りなく近いな、はっきり言ってウソだなと思いつつ、主張、発表し
続けたのだろう。
→おそらく、人間社会の本質であり、縮図であろう。
信じるか否か、乗るかいなかは、個人個人の勝手であり、選択自由なのだから。
→研究畑や先進性の高いテーマについては、実現できないのが普通で、むしろ実現、発見
できたら不思議な世界なのだから。
従って、予算を確保し、それをどう使ったかについて、ルールを守ってさえいれば、
たぶん、罪に問われることは無いだろう。また、ハズれくじを引いてしまっても、多少の
評価、査定が下がったり、栄達出世が困難になる程度であり、抹殺される様なことは無い
のだから。なぜなら、周りの人々の多くも失敗を繰り返しているのだから。
・組織のチェック機能がなぜ検知できなかったのか?
→現業、実用寄りの世界では、健全な組織体であれば、チェックがかかって、
いずれ検知され、修正や中止を迫らるハズである。
→ITの世界でも、工程管理、進捗管理が杜撰で、納期、納入の直前まで検知できず、
大トラブルになった例は毎年の様にメディアで報道されている。
いぜんのみずほ銀行のトラブルでは、ある年の4月1日から本運用の予定で、本番開始
されても、その杜撰なシステム開発の現状把握ができなかったのである。
→イギリスの”Nature”誌は、さすがに警告、指摘していたとのこと。
日本国内の各種学会やメディアはどう評価、行動したのであろうか。
・問題視された段階で、なぜ、トーンダウン、幕引きをしなかったのか?
疑義を指摘されても、強行突破可能だと判断していたのか?
→一度ついたウソや言ってしまったハッタリや虚偽報告を当人当事者から修正、取り消す
ことは極めて難しいのである。
また、本人の近傍にいて、その虚偽に気がついた場合、当該事象から距離をおくことで、
自己を守ろうとするが、組織内で指摘警告行動に及ぶ者は少ないのだ。
これは、人類の歴史や国家権力の興亡史を観れば明らかであろう。
以上