卒業
春、卒業の季節。
一昨日、前に勤務していた学校の卒業式が行われ、昨日卒業生のお母さんから電話がかかってきた。
お母さんは、ただただ、
「ありがとうございました。」
とくりかえすだけだった。
涙まじりの声で。
僕は3,4年生の時の担任で、今は遠く離れた学校にいるというのに…。
その家族にとっては、たくさんの苦労のあった小学校生活だったのだろう。
僕が担任していた2年間もそのお母さんはとても辛い日々を過ごしていた。
僕は担任として、お母さんの悩みや苦労を解決できていたか?
そんなことはない。
ただ、僕も必死でお母さんやその子を支えたつもりだ。
それが、今、「ありがとう。」の言葉で返してくれたのだった。
このお母さんの素敵なところは、恩に厚いことだと思う。
受けた恩を決して忘れない人なんだと思う。
このお母さんも、その子どもも本当に幸せに暮らしてほしいと、
心から思った。
人の何倍も悩んで、苦労している家族なんだ。
「ありがとう。」
いえいえ。
「こちらこそありがとうございました。」
僕も電話で、ただただ
「ありがとう」をくりかえした。
卒業おめでとう。