【186】カゼひきぜんまい | ♪ぜんまいな毎日

【186】カゼひきぜんまい

『おばば殿、かたじけないでござる…ハァ…』


『水臭いコトは言いッこなしだよ
風邪をひいた時くらい甘えておくれ』


風邪をひいてしまった豆丸。

看病するだんご屋おばばは、いつになく優しい


でも…


『おばばー!お店の掃除終わったよ』

『ああ、ご苦労さん♪
それじゃあ、今度は皿洗いでもしてもらおうかね』


おかげで、ぜんまいざむらいは
休んでいる豆丸の分も手伝うコトが山ほどあって

朝から働きっぱなしに…



『はぁ~ぁ!豆丸のヤツ、風邪とはいえ…羨ましいなぁ~』



次の日、
おばばの看病のおかげで元気になった豆丸



『昨日、休んだ分
今日はたくさんお手伝いするでござるよ』

ヤル気満々♪なのだが…

『それじゃ早速、店の前を掃除しておくれ♪
あっ!
ぜんちゃんは水汲みね、
それが終わったら
買い物に行ってもらってぇ』

おばばは、病み上がりの豆丸を気遣い
今日も
ぜんまいざむらいに、たくさんの仕事をまわす。


『おいら昨日も一日中、コキ使われたのに…
(あっ、そうだ♪)』


すると、ぜんまいざむらい


『あぁぁ~あ…
なんだか…おいら、急に気分が悪くなって!
ゴッホ!ゴホッ!』

と言って咳込み始める!?

『ありゃ~!こりゃイケないね…
豆ちゃんの風邪が伝染ったのかも知れないよ!』

心配したおばばは、
ぜんまいざむらいを休ませてあげるコトに。



気分悪そうに自分の部屋にもどったぜんまいざむらい…


『えへへ♪上手くいったぞ!
ああ♪極楽、極楽~♪』

実は、まったくの仮病!

布団の上で漫画を読みながら【仮病ライフ】を楽しむ

しかし、
【湯たんぽ】を持って来た豆丸が


『だいぶ、元気になってきたみたいでござる♪』

ぜんまいざむらいの顔色を見て一言…


このままでは
せっかくの仮病ライフが終演になってしまう!



『ァアーッ!
なんだか…頭がガンガン痛い、お腹もキリキリするぞ
背筋もゾクゾクっ!寒気が止まらないー!』

慌てたぜんまいざむらい、あらゆる病状を訴えると

驚いた豆丸は、

『大変でござるー!おばば殿ーー!!』



おばばを連れて来てしまう(汗)

『ぜんちゃん!
あんた、よっぽど悪いみたいだね…
ほれっ!
熱、計ってごらん』

心配したおばばは体温計を差し出す!

仮病の
ぜんまいざむらい、絶体絶命の大ピンチ!


困ったぜんまいざむらい…


布団の中の湯たんぽに体温計をあてる作戦に


『どれどれ…!?』

おばばが体温計を見ると、

『ぬわーー!大変だぁっ!』


なんと!
体温が40度を越えてしまっている!

『い、医者じゃよ!豆ちゃん!
すぐに医者を呼んで来ておくれっ!早くっ!』

驚いたおばばは
豆丸に医者を呼びに行かせてしまう!

その豆丸も


『ぜんまい殿が…ぜんまい殿が死んじゃうでござる~!(泣)』

泣き叫びながら医者を呼びに行った為、

ぜんまいざむらい倒れる!の一報が
からくり大江戸の人達にも知れ渡ってしまい…



『ぜん様!死なないでー!』

『頑張るのだ!ざんねんざむらいー!』

『お前さんを倒すのはアチキでやんす!
くたばったら…承知しないでやんす!』



『からくり大江戸中から見舞いが届いておるぞよ~』

ずきんちゃんや茶じじ、なめざえもんに、
見栄城の殿様まで

みんな、ぜんまいざむらいを心配して
お見舞いに駆けつけてしまう。



『みんな…あの…こ、これは…』

事が大きくなり、
仮病を白状しようとしたぜんまいざむらいの元に



『お医者さんを連れて来たでござるよ!』

医者を連れた豆丸が!


『すぐに治療を始めよう!』

医者が出したのは

どんな病気にも効くと言われる
からくり大江戸秘伝のワクチンが入った…



【特大注射】

『さぁ!お尻を出して!』


『あの…おいらなら、もう治りましたから…』

逃げようとするぜんまいざむらいは
心配するみんなに押さえ込まれ…






『ぃ、イヤだー!嘘だよ…嘘なんだよーー!』

と正直に言うものの…


『ァアーーーー!!』




いっぷくから
ぜんまいざむらいの叫び声が響き渡るのでした。