【第2部】設計図は、描き直せるか


第1部では、

「戦略なき強化は努力を浪費する」

と書きました。


でも、もう一段、

難しい話があります。


設計図は——

永遠ではない。


フィギュアは、ルールの競技です。


国際スケート連盟の改正ひとつで、

ジャンプの価値が変わり、

構成の意味が変わる。


昨日の正解が、

今日はもう正解ではない。


ここで、多くの組織がやることがあります。


戦術を足す。


練習量を増やす。

遠征を増やす。

コーチを増やす。


間違いではありません。


でも——

ハンドルがずれたまま

アクセルを踏めば、

速くなるだけです。


戦術はアクセル。

戦略はハンドル。


どれだけ踏み込むかより、

どちらを向いているか。


企業も同じです。


市場が変わる。

顧客が変わる。

技術が変わる。


それでも、

「前はこれでうまくいった」

と言ってしまう。


戦略を変えることは、

どこか過去の否定

のように感じるからです。


でも——

否定は、感情です。


振り返るときに必要なのは、

感情ではなく、検証。


うまくいった理由も、

うまくいかなくなった理由も、

事実と感情を淡々と切り分けること。


変えないことは、

もっと静かに、確実に、効いてくる。


戦略の失敗は、

戦術では取り戻せない。


だから問いたいのです。


私たちは十分に頑張っているか、

ではなく——


正しい方向に、

力を使えているだろうか。


設計図は守るものか。

それとも、描き直し続けるものか。


あなたの組織は、

いまも同じ地図を握ったまま、

全力で走っていませんか。