「厚生労働省は、セクハラをきっかけとした精神疾患の労災認定基準を見直すことを決めた」そうです。
“泣き寝入り”を防ぎ、認定も容易にするのが主な狙い。
09年度に労災申請があったうち、セクハラや類する行為があったと認められたのは16件で、セクハラによるストレスが原因の労災として認定されたのは4件だけだった。(共同通信より)
『心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針』を見直すのでしょうか。
ちょっと分かりませんが、この指針のお話を少しだけ。
メンタル不調の労災認定は主に三段階の検討を経て判断します。
第一段階の「心理的負荷の強度」判断では、セクハラは弱中強の中で「中」と位置づけられています。
第二段階が「心理的負荷の強度の修正」、第三段階が「状況が持続する程度の判断」。
思いきり簡単に書くとこんな感じです。
労災認定の最大のポイントは「原因が業務上なのか業務外なのか」であり、メンタル面ではこの判断が困難です。
だから当該指針には、三段階の次に業務外の影響を検討することが記されています。
指針のタイトルも『業務上外の判断』ですね。
例えば、職場のセクハラでうつ病になったと思った場合でも、家庭をはじめ仕事以外の人間関係や、もともとの性格や日々の飲酒状況などが主たる原因だと判断されると、労災認定は簡単ではなくなります。
人間の心の変化の原因を職場の内と外に分けて考えることに本来は無理があるのですが、「労働」災害の補償だから止むを得ない訳ですね。
とにかく今後の厚労省の動向に注目したいと思います。
ちなみに以前にも書いたことがあるので省略しますが、テレワークはセクハラ問題にも有効です。
大切なのは労災になるほどのダメージを受ける前にどんな対処をするか、です。
厚労省さんもテレワークをもっと評価して下さると嬉しいのですが。
ちょっと蛇足でした。