三島由紀夫の偉大さ

 三島由紀夫(1925-70)はSF小説『美しい星』において、自分が「徳盲の善人」(サンチョ・パンサ)であることを自覚し、「徳明の英雄」であるドン・キホーテに憧れ、「徳明の凡人」である警官を軽蔑し、「徳盲の悪人」を憎んでいる。