成功への道

 オノレ・ド・バルザック(1799-1850)の『ゴリオ爺さん』の最後の場面で、野心的な田舎貴族の青年は、重要人物が眠るペールラシェーズ墓地からパリの夜景を見ながら、一騎討を挑戦する。学問・芸術や政治における成功は、先ず「酒と歌と女の世界」で闘い取られなくてはならない。これは現在の日本においても同様である。辻泰彦(1945-)の成功は、「詰め込み勉強」の産物ではない。