文学の発展過程

 文学の発展過程も直線的ではなくて往復する。徳明と徳盲の対立も、ミゲル・デ・セルヴァンテス(1547-1616)の『ドン・キホーテ』においてドン・キホーテとサンチョ・パンサの対立として把握された後に、太宰治(1909-48)の『人間失格』と三島由紀夫(1925-70)の『美しい星』(1962.11)において把握されたものであるが、その後に辻泰彦(1945-)の『芸者と侠客』(未刊)によって明確にされた。