5/15(火) 22:00

一緒に育った姉と弟、楽しく介護しようと決めて作り始めた「寝相アート」

いくつもの病気を乗り越え、お姉さんの手厚い老犬介護を受けたミニチュアダックスフントのMackくん。18歳5ヶ月直前まで生きたご長寿さんです。二人の心温まる日々についてお話しいただきました。

■姉と弟の出会い、そして再会

Mackくんは、來未さんが小学校6年生の時に家族になった子です。ですから、來未さんとは姉と弟という仲。公園に遊びに行く時も、塾に行く時も、いつもMackくんが一緒だったそうです。

やがて、Mackくんが8歳の時に、ご両親が離婚。お父さんがMackくんを引き取ったのですが、お世話をしきれず、食餌も猫マンマのようになり、Mackくんは、適正体重の倍くらいまで太ってしまいました。

そんなMackくんを見かねて、当時、臨月だった來未さんは、Mackくんを引き取ったのです。それからは、手作り食によるダイエットの日々。4.5kgまでダイエットして、さあ、これからという時に、もともと持っていた椎間板ヘルニアが悪化してしまいました。まだシニアというには若いのですが、それからMackくんは、数年に一度大きな病気に見舞われます。

■寝たきりになったMackくん

Mackくんは、15歳の時に発症した白内障が進行して、完全に光を失いました。そして、17歳の時に前庭疾患(脳の病気)になってだんだん歩けなくなり、その後、膵炎(すいえん)になったのをきっかけにまったく歩けなくなってしまったのです。頭を自力で持ち上げるのも困難になると、お散歩好きなMackくんは涙をポロポロ流して泣きました。思うように体が動かないジレンマがあったのでしょう。

それまで病気をしてもなんとか持ち直してきたMackくんですが、前庭疾患になってからは一気に調子が悪くなり、そのため來未さんは、寝たきりで何もできなくなってしまったMackくんを見て、悲しみに浸っていました。「どうしよう・・・」。そっとMackくんの頭を撫ぜながらあふれる涙。

しかし、状況が好転するはずもなく、Mackくんの退院と同時に始まった介護で寝不足に。心身ともに疲れ切った來未さんは、どんどん余裕がなくなっていきました。Mackくんが退院できたのに、すぐそこに死が迫っているような気にもなってきたのです。

さらに、動けなくなったMackくんは、認知症も発症し、昼となく夜となく吠えるようになりました。動物病院で睡眠薬を処方してもらったものの、すぐに耐性(薬に慣れてしまって、効果がなくなること)ができてしまいます。夜に吠えると近所迷惑になるので、車に乗せて出かけたそうです。さらに、脳の老化による痙攣も始まりました。

しかし、ある日、來未さんは思います。本当につらいのはMackくんだと。Mackくんが頑張っているのに、めそめそしてはいられないと一念発起。楽しく介護しようと決意したのです。もちろん体力的には大変だったのですが、ご主人が協力してくれたことも大きな助けになりました。

■寝相アートで楽しく介護

來未さんが楽しく介護するために取り組んだのは、“寝相アート”です。毎年、年賀状は、被り物をしたMackくんとお嬢さんの写真で作っていたのですが、寝たきりのMackくんでは、それはできない。でも、寝相アートなら可愛い年賀状を作れる!とチャレンジしたのです。見ているだけで、気持ちが明るくなるような寝相アート。可愛いですよね。

天気が良くて、Mackくんの体調がいい日には、Mackくんを連れて、お散歩や犬のイベント、お花見にも出かけたそうです。寝たきりになる前より、もっとたくさんお出かけしたというMackくん。風に吹かれて、いろんな匂いを嗅ぐと、Mackくんは目をキラキラさせました。

Mackくんは、亡くなる数日前から夜泣きの声が小さくなっていきました。息をしているかどうか、Mackくんのお腹を見るのが癖になっていた來未さんご夫婦。ふと見ると、お腹が動いていませんでした。まだ脈はあったのですが、來未さんの腕の中で「ありがとう」の言葉を聞きながら、大きく3回息を吐いて生涯を終えたMackくん。來未さんは、あまりのつらさに、MackくんにそっくりのMackロイドを作りました。

いつ癒やされるのか分からない來未さんの悲しみ。でも、Mackくんは、とても幸せな子です。他にも、ロンパースなど人間の赤ちゃん用品を使って、Mackくんの介護用品をいろいろ作ったという來未さん。とても素敵なお姉さんです。

文/わたなべあや

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