再び電車に乗り込み、車窓から夕焼けを眺めているうちにいつしかうとうと。
すっかり暗闇になった冬の夕暮れの中、北本駅に到着~。

都内と違って、日が落ちたこの時間には、開いているお店もまばらな、
夜の闇の広がる旧中山通を、てくてくと歩いていたら、すっかり気分は旅人…。

12-1-9-3 すずき看板

その暗闇の中に、程なくぽっこりと浮かび見えてくる看板の灯り。

12-1-9-3 すづき店

今回の旅行の最後のお店に相応しい、年季の入った佇まい。
田舎の山の中でふと出食わしたかのような、
闇の中に、慎ましく鄙びた何とも言えない、この風情…

12-1-9-3 打ちば

扉の横の、格子窓を覗けば、打ち場があり、
がらがらがらと、使い込まれた扉を開き店内へ。

北本 ―手打ち蕎麦 鴨うどん浄餞 鴨汁そば 十割そば―
「禅味 すゞ木」

 

入った店内は…、ああ、これはいいなぁ futt.gif
土間の床には、温もり溢れた囲炉裏を囲んだテーブルが鎮座し、
今は懐かしい、白熱球の電球の灯りが、しみじみとした趣を醸してる。

何年も何年も、営んできた歴史が刻まれた、柱に壁。
わびさびの心地感じる、この空気に、途端にほっと寛ぐよう。

3人であると告げると、すぐに奥の座敷へと薦められ、
ブーツを脱いで、座敷へと上がると…

12-1-9-3 店内

ああ、これも又、いいなぁ…futt.gif
田舎のお家に入ったかのような、しみじみとしたこのお座敷。
幾人もの客人を迎い入れた、年季感じる畳にふすま、

12-1-9-3 お茶

テーブルはすっかり、すり減りすすけ、人の手の温もりを感じるよう…。
ふっかりとした座布団に腰を下ろしたら、疲れもほっと癒される。

12-1-9-3 品料理

…と三人、すっかり寛ぎモードに入りながら、
ゆっくりと手にし見るお品書き。

こんなテーブルを前にして座ったら、やっぱり熱燗を頂きたい。

12-1-9-3 乾杯

と、お願いした「白鹿」の熱燗で、武士の気分でそろりと乾杯~。
この徳利が、又味わい深く…

12-1-9-3 あて

充てには、これもうれしい、たっぷり盛られた、
太切りの揚げ蕎麦に、しみじみと美味しい烏賊の塩辛。

12-1-9-3 漬物

充てには、時価との(実は600円)の「自家製お新香」をお願いすると、
たっぷりの胡瓜に蕪、茄子の糠漬け。
これが、瑞々しく漬かり具合もぴたりの、実に美味しい漬けもので…

12-1-9-3 にこみ

「禅味会」と言えば、鴨料理。
「もつに」もここでは、鴨がごろごろと入った「鴨のもつ煮」。

食べて見れば、これが熱燗になんて良く合う、
しっかり鴨の出汁が染みた、こってりとした味噌風味。
中に入った、大根蒟蒻にも味が染み、これで飲む熱燗がたまらない…futt.gif

12-1-9-3 からすみ

「からすみ」は、これが歓喜してしまう、たっぷりの盛り。
表面をきちんとさっと炙って出されたもので、
これとお酒を口にしたら…、もう、言う事なしっlove.gif

と、すっかり心和み癒され、しみじみと寛いで…

12-1-9-3 品温そば12-1-9-3 品冷そば

そろそろ、お蕎麦を頂こう、と改めて品書きを手にし、
蕎麦はもちろんだけど、「うどん」も看板にあるお店。
手打ちのうどんも食べてみたい、
…し、さらに「手打」の「きしめん」もとても気になる。

今日は、「かけ」系のお蕎麦も食べてないし…
と言う事で、お願いしたのは、鴨汁蕎麦にうどんにきしめん。

12-1-9-3 薬味

お願いすると、大根おろしに葱、
さらに生姜、山葵、のついた三種の薬味が程なく出され…

12-1-9-3 うどん

初めに出されたのは、「かけうどん」。

12-1-9-3 うどんあぷ

蓮華で掬い、琥珀色の汁を口にすれば…
ああ、これは、美味しいなあ futt.gif

口にした途端に、しみじみ~とさせられる、
体にじんわりと染みるような優しく柔らかなほっとする味わい。

しっかりとしてぷるんとした腰のうどんは、つるりと喉越しも滑らか。
噛みしめれば、小麦の甘みが広がる、美味しいおうどん niko.gif

12-1-9-3 そば

続いて出された「十割そば」は、笊に盛られて。

12-1-9-3 そばあぷ

きりっと潔く立った角、ぴんと張って伸びのある凛々しい姿。
細切りの粋な佇まいの蕎麦から、ふわっときちんと広がる穀物の香り。

12-1-9-3 そばたべ

噛みしめれば、心地のいいしゃきっとした腰があり、喉越し爽やか。
品のある蕎麦の素朴さがあり、噛みしめればじわりと甘みが広がってくる。
ふむふむ、これはいいなあ hahha.gif

熱々の鴨汁に浸してみれば、ふっとにわか立つ香ばしさ。
しっかりとした腰の蕎麦は、熱々の汁を纏い、さらに甘みがぐんっとます。
さすが、禅味会の鴨汁、これは美味しい…buchu-.gif

12-1-9-3 きしめん

最後に出された「きしめん」に、ちょっとびっくり。
こんなに幅広の「きしめん」は初めてかも。

12-1-9-3 きしめんたべ

と、鴨汁に浸し食べて見ると、これは又、面白い。
初めての食感、腰はあるけどつるりとして滑らか。

噛みしめている矢先から、喉元に落ちて行くようで、
うどんと似て非なるもの、と実感した(多分)これが初の「きしめん」体験。

と、三人で平らげたら、流石にお腹もいっぱい、大満足。
ほのぼのとして、朴訥としたご主人の暖かな応対も心に染み、
旅最後の蕎麦を、こうした空間で頂けた事も感慨深い。

ご馳走様でした~hahha.gif

 



12-1-9-3 看板鴨
―手打ち蕎麦 鴨うどん浄餞 鴨汁そば― 
「禅味 すゞ木」 

埼玉県北本市本宿2-81 
048-592-2810
11:30~14:30 / 16:30~20:00
水曜定休
P5台