新所沢駅を出て、線路沿いに歩くこと数分、
踏切を渡れば、通りに面して「手打そば」の旗がすぐ目に入り…

心急ぎながら、向かってみたら、…ええっ?やっていない
??
一瞬、ぎょっとしながら路地を入ると…

こっちが正面だったんだ
。
暖簾が風に揺れているのを見て、心底ほっと…。

入口横には、気骨ある文字で書かれた蕎麦の産地
。
新所沢 「手打ちそば処 椿屋」
そろそろ2時を回ろうとする平日の昼下がり、
初めてのお店、どきどきしながら扉を開けば、
ほっとした心地になる、長閑な街蕎麦屋の和やかな空間
。
カウンターには馴染みらしいお客さんが、徳利を横に蕎麦を手繰り、
テーブル席3卓にも、お客さんで埋まってる。
人気のお店なんだなあ
、と眺めていると…
「お座敷、どうぞ~」と、通され横に作られた小上がり席へ。
ブーツの今日、テーブルが良かったなあ、
などと思いながら、上がり腰を下ろした小上がり席は、
これが、なかなか居心地よく、ほっこりと寛げる
。

すぐに出されたお茶を口にし、置かれていた品書きに手を伸ばすと、
まず目に留まったのは、お得な、「平日のランチセット」
「*お蕎麦は石臼挽き、又は更科、田舎よりお選び下さい」
の注釈に、綴られた品書きを続いて開けば…

こっ、これは…、ご主人の蕎麦に対する拘りが即効感じられ、
期待が、むくむくと広がってくる。
これは、ゆっくり蕎麦前を頂きながら読ませてもらう事にして…


「もりそば」は三種の蕎麦共通なのかな?
「冷たいそば」に「冷し物」、


温かいお蕎麦に、ご飯もの…


ようやく、「椿屋のおつまみ」に「御飲み物」の品書きになり、
今日も寒い、早速お願いした「秩父錦」の熱燗一合。
それに、ちょっと珍しい「山かけ豆腐」も添えて注文 
注文し終えてほっとし、改めて品書きを見ていたら…

あ゛…、「ランチ」の品書きの裏には、
「お勧めのお酒」もあったのか
。
「いずれのお酒も燗にいたします」の一文がうれしいな…

と眺めていると、「秩父錦」の熱燗が程なく到着。
早速注ぎ口にすれば、とても美味しいお燗酒
。
人肌燗より、やや温かめ、ふわりと柔らかく、
米のふっくらとした旨みが広がり、燗付け具合もぴたり。

蕎麦味噌が添えてあるのが、又うれしく…

続けて、「お好みで汁をかけて下さい」と言葉を添えて、
「山かけ豆腐」も目の前に。

早速、添えられたもり汁を垂らし掬えば、
まったりとろりと、さっぱりとした豆腐にとろろが絡み、
上質の山葵に香ばしい海苔が交わり、これは美味しいっ
。
「山葵芋」のしみじみとした美味しさに、
豆腐が加わった楽しさで、実によき熱燗の充て。
蕎麦の種類の説明書きをじっくり読ませて頂きながら、、
しばし、ほっこり寛がせて頂いて…
せっかくの「平日」の「ランチ」時、「ランチセット」にしようかな
。
、
「大海老天ぷらのつけそば」の…、
三種の蕎麦から、「田舎」と迷った挙句、
「ヌキ実を丸ごと挽きこんだ」「石臼挽き」を選びお願いすると…
「お蕎麦はどちらにしましょう」と女将さん。
「どちら?」と聞けば、なんと、二種の産地で打っているそう 

表にあった「山形県大蔵村」の「最上早生」の他に、
壁に「宮崎県児湯郡川南町」の貼り紙が
。
気付かなかった…
どちらも新蕎麦だそうで、
珍しい、宮崎のお蕎麦で改めてお願いする事に
。

待つ事程なく、置かれた蕎麦を一目見て…
せつなに、この蕎麦に、fall in love~

期待をはるかに超えて…、なんて、美しいんだろう…
。

透けるような繊細な細切りの中に、
蠢くような、透明な蕎麦の粒がびっしりと重なり合い、煌めき、
この溢れる程の穀物感。

手繰り口にすれば、きりっと冷水に〆られた、心地のいい弾力。
噛みしめれば、ぷるるっと粒を噛みしめる感覚があり、
じわじわ~っと広がる、清々しく穀物の豊かな甘み。
おっ…、美味しいっ
たまらず、そのままで何度も手繰り、途端にうっとり…

「山かけ豆腐」で残ったもり汁に浸せば、
ふっと広がる鰹の香りが広がり、これがこの蕎麦に実にぴたり
。
お、美味しい~、美味しすぎる…
。
と、気付いたら半分程手繰った後で、

ようやく添えられた「大海老天」を見れば、これも又美しい
。
立派な海老が纏う衣は、美しく花散った天衣。

箸を入れれば、さっくりと散る衣に、
熱々の汁に浸し食べれば、れも美味し~いっ
油っぽさ微塵もなく、中の海老はぷりぷり旨み濃厚。

さらに天麩羅をたっぷり浸し、衣を溶かして蕎麦を手繰れば…、
こっ、これ又たまらな~い
。
熱々の汁に浸った蕎麦は、途端にふわっと香気立ち、
甘みがぐわんっと広がり口いっぱい満たしてく。
美味しい…、もう止められない。
夢中で手繰っていたら、結構量もあったのに、あっという間。

頃合いみて出して下さった蕎麦湯を注げば、クリーミィーな濃厚蕎麦湯。
注ぎ、じっくりと味わって…
まだまだ余韻冷めぬまま席を立てば、
「宮崎のお蕎麦、どうでした(^^)?」
と気さくに話しかけて下さる女将さん 。
その温かな言葉がうれしく、素直に感動を伝えれば、
「山形のもよかったら、是非(^^)」
…と、中のご主人も加わって下さり、少々楽しい立ち話。
産地を変え、蕎麦に合う挽き方で、様々打たれているそうで…
「今日の蕎麦は、そんなに粗くない方ですよ」
の言葉に、もっとご主人の蕎麦が食べて見たくて仕方ない。
女将さんも親しみやすくて温かく…
どうして今まで来なかったのか、即効悔やまれてしまう程。
ご馳走様でした~
好みの蕎麦に出会えた、それが何よりもうれしく…
今度は、「ついで」じゃなくて、是非頂きに伺います

「手打ちそば処 椿屋」
埼玉県所沢市北所沢町2017-6
042-942-6000
11:00~15:30 / 17:00~20:30
火曜定休
禁煙