与野駅西口から、寒々とした雨の中、線路づたいに歩いていくと…
立派な看板に広々とした駐車場を携えた、お店に程なく辿り着く。

10-9-23 看板

与野 「蕎麦 孤丘」

10-9-23 看板お断り

駐車場を横切り、お店の入口へと近づくと、足元に置かれた断り書き。
読んでみると、「お子様はお断り」ではなく、「別室にて」
の心遣いに、ご主人のお心が伝わってくるのを感じつつ…

10-9-23 店入り口

塀から周り込むと、目の前に広がる、高雅な入口。
ゆったりとした間取りの扉に、すっと下げられた暖簾、

10-9-23 店庭

振り返れば、客席から見渡せるのだろう、手入れの行き届いた
緑鮮やかな立派な中庭が、作られていて、

想像以上のお店の景観に、入る前から、期待に胸が膨らんでくる… wao.gif

 

 

おずおずと扉に手をかけ入ると、心地のいいウェイティングスペースがあり、
すぐに、花番さんが顔を出して下さり、店内へ案内される。

…こ、これはっbikkuri.gif
なんて広々とした、立派な空間…っ。

10-9-23 店内

高い高い天井に、ゆったりとしたワンフロアには、
贅沢な程、空間を取られて配された、白木のゆったりとしたテーブル席。

天然石が敷かれた床に、通り過ぎる空気は心地よく、
一面大きく取られたガラス窓からは、先程の中庭が目の前に広がる。

10-9-23 店内天井

もう、ぐるりぐるりと、思わず隅々まで見渡してしまう、
蕎麦屋を超えたこの空間に、思わず溜息…。

10-9-23 ビア

あまりに立派な空間に、気後れしそうになりつつも、
まずはビールで乾杯を。

10-9-23 揚げそば

あてにたっぷりの揚げ蕎麦が出され、つまみ食べてみると…

10-9-23 揚げそばあぷ

こ、これは美味しい hahha.gif
珍しい、青海苔の風味が香ばしく広がる、軽やかな揚げ蕎麦で、
お聞きすると、「磯切り」を揚げたものだそう。

変わり蕎麦での揚げ蕎麦、これはいいな~heart.gif
と、ようやくほっとしたところで、この素敵な空間で楽しむ、
これも楽しみな蕎麦前を…、と品書きを開き、

10-9-23 品組み合わせ

蕎麦屋のつまみに、天種が書かれたお料理から…いくつか選び注文。

10-9-23 蕎麦味噌

まず出されたのは、蕎麦屋の定番「焼きそば味噌」。

10-9-23 蕎麦味噌あぷ

西京味噌で、ふわりと作れられた蕎麦味噌は、口当たりが柔らかい。

10-9-23 蕎麦豆腐

それに花豆が添えられた「蕎麦豆腐」。
しっとりとして香ばしい風味の濃い美味しい豆腐で…

10-9-23 品さけ

早速お酒をと、地元埼玉のお酒「花陽浴」(はなあび)を。

10-9-23 酒

織部に似た、味わいある陶器の片口に猪口が出され、
口にするお酒は、すっきりとして柔らかい美味しいお酒。

10-9-23 山葵醤油

このお酒に、「山葵の醤油漬け」が添えて出されるのもうれしく、
スライスされ浸された山葵は風味よく、これだけで飲めてしまいそう。

10-9-23 ごぼう

と頂いていると出される、揚げたての「牛蒡の天麩羅」。

ざっくり切られた牛蒡は、食べてみるとふっくらと柔らかく、
噛みしめるとじわ~り牛蒡の味わいが口に広がる。
さっくりと揚げられた衣も軽やかで、天麩羅のレベルの高さも伺える。

…と、さらにいくつかのお酒をお変わりし、
いよいよ、肝心のお蕎麦を頂こうと、改めて品書きを。

10-9-23 品そば310-9-23 品そば1
10-9-23 品温10-9-23 品そば4

いくつかの種ものの蕎麦が並ぶが、単品の蕎麦には「もり」しかないが、

10-9-23 品蕎麦三昧

「蕎麦三昧」に書かれている「粗挽き」に「玄挽き」は是非とも食べたい。
単品で頼めないのかお聞きするも、数がないので出来ないとの事なので…、

ほぼ全部食べられる、この「蕎麦三昧」を3人で頂こうと、
二種類両方をお願いする事に。

10-9-23 そばがき

程なく、まず出されたのは、これも食べたかった「そばがき」。

掻きぱなしの蕎麦がきは、山葵がちょんっと乗り、蕎麦湯に浸し出され、
添えて出されるのは、蕎麦の実の入った粗塩。

10-9-23 そばがきあぷ

蕎麦の欠片が点々の混ざっって見える蕎麦がきには、
さらに、透明や薄茶の粗い蕎麦の粒々がぎっしりと混ざる。

10-9-23 そばがきたべ

取り分け食べようとすると、途端に鼻孔に昇る温もりある蕎麦の香り。
思わずうっとりしながら口に含むと、とろ~りふわっと柔らかく、
舌先をくすぐる蕎麦粒の心地のいい感触。

じわじわと香ばしくも甘みを含んだ風味が口いっぱいに広がり、
これは美味しい…love.gif

10-9-23 品そばは10-9-23 品そば品種

と、残りのお酒をこの蕎麦がきで楽しんで…、
蕎麦が来る前に、改めて蕎麦についての文字に目を馳せていると、

10-9-23 青海苔

まずは、「更科」から変えて出される「青海苔切り」。

10-9-23 青海苔あぷ

端正に切り揃った、透けて見えるような蕎麦の中に、
ぎっしりと混ざり込んだ、繊細な青海苔。

10-9-23 青海苔たべ

手繰り上げると、ふわりと香ばしい磯の香りがよぎり、
ぷるんっとした何とも心地のいい弾力ある歯ごたえ。
噛みしめると、この磯の香ばしさが弾けるように口に広がる。

10-9-23 もり

頃合いもよく、続いて出されるのが、定番の「もりそば」。

10-9-23 もりあぷ

茨城筑西の常陸秋そば、十割で打たれた蕎麦は、端正な細切り。
角がきりっと立った、凛々しい蕎麦は、手繰り上げるまもなく、
鼻孔に昇る、濃厚な香ばしい蕎麦の香り。

口に含むと、しっとりとした腰が歯を包み、
噛みしめると、じわ~っと豊かに広がる、ふくよかな蕎麦の味わい。
するりと落ちる喉越しもよく、その後で、再びふっと帰ってくる香ばしい風味。
この味わい、これはたまらない…love.gif

10-9-23 粗挽き

余韻に浸っている間もなく、続いて出される「粗挽きそば」。

10-9-23 粗挽きあぷ

もり蕎麦に、手挽した粗挽きの粉を混ぜ、十割で打たれたとの蕎麦は、
びしっと立った凛々しい切り口。

その表面には、様々な色合いの蕎麦粒がびっしり埋め込まれ、
野趣さ長け、勢いさえも感じられるよう。

10-9-23 粗挽きたべ

手繰り上げれば、これも豊かな香りを放ち、
もちもちっとした歯ごたえに、ざらりとかすめていく蕎麦の欠片。

この感触に、じわじわ広がる味わいに、もうすっかり虜になってしまう。
う~ん、これは美味し~い love.gif

いつまでも食べていたいような心地になりながらも、3人で食べたらあっと言う間。
そして、最後にこれも楽しみにしていた「かけそば」。

10-9-23 かけやくみ

まずは、薬味の葱に揚げ玉、さらに京都の黒七味が置かれ、

10-9-23 かけ

続いて、すっきりとした白磁の丼が置かれる。

10-9-23 かけあぷ

見る汁は、横たわる蕎麦が透けて見える、美しい琥珀色。

10-9-23 かけ汁

そっとれんげですくい口に含むと、ああ、なんて美味しい…futt.gif

なんの抵抗もなく、そのまま体に同化していくのではないかと思うほど、
柔らかくすっきりとした、出汁が見事に調和した旨み。

10-9-23 かけたべ

その中の蕎麦は、熱い汁に浸り、ほろりとした腰がたまらない。
暖められた事でふっとにわか香り立ち、汁にからまり香ばしさが追いかける。

このかけそば、これは絶品…buchu-.gif

10-9-23 かけのせたべ

さらに、取り分けて、揚げ玉を乗せて口に含めば、
さっくさくの揚げ玉が風味を醸し、これも絶妙。

10-9-23 蕎麦湯

すっかり魅了され、汁もすべて頂いて…
最後に、ほどよく白濁した滑らかな蕎麦湯を注ぎ入れ、
一連の蕎麦の余韻に、ゆったりと浸る至福のひと時 futt.gif

…と、そろそろ3時もすぎようとする時間、他にお客さんも帰られて、
そっと顔を出して下さった、まだお若いご主人。

蕎麦の事などお話しする中、もしよかったらご覧になりますか?
と、「離れ」の個室の部屋を見せて下さると、店内を出て廊下に出ると…

10-9-23 はなれへと

この回廊さえ、歩くのが嬉しくなるような、神秘的な気品漂う空間。

10-9-23 はなれ

その先に、孤立された白い土壁の小さな建物が二棟あり、

10-9-23 はなれなか

見せて頂いた二つの部屋は、それぞれ雰囲気が違う、これも素敵な空間。
ほっこりと親しい方々だけで楽しんだり、
あるいは、お子様がいらっしゃるお客さんに、お互い気を使わずに、
楽しんで頂きたいと、造られたそう。

10-9-23 店そとから

ゆくゆくは、結婚式なども、ここでやれるような、そんなお店へと…
と壮大な計画や意力あるお話しをお聞きし、心底感心してしまう。

蕎麦屋の可能性は、無限だ…、と思っていると、さらに、
完成したばかりとの、茶室にも案内して下さり、
これも、完璧に作られた茶室(非公開)に、もう心底圧倒されっぱなし。

駅からも近く、車での便もよく駐車場も完備。
独りでも、二人でも、記念日にも、すべてのシチュエーションで…
そのお心に、すっかり聞き惚れてしまってる。

あの蕎麦の味わいだけでも、感動していただけに、
なんてすごいお店なんだろう…と、くらくらしている私に、

「今度は是非、蕎麦懐石も頂きに来てみて下さい」
と、笑うと少年の面差しを残す、ご主人の言葉がうれしい。
なんて、充実したひと時だったろう、3人すっかり感心しつつお店を後に。

ご馳走様でした~hahha.gif

お店の雰囲気に、丁寧な応対、そして極上の蕎麦の味わい。
すごいお店が出来たなあ、ぼおっとした心地の中、
是非、夜の景観をも見てみたいし、玄挽きも食べてみたい…
と、すっかり心は次に来る日に馳せながら…



10-9-23 飾り
「蕎麦 孤丘」

埼玉県さいたま市浦和区上木崎1-11-10
048-762-3167
11:30~15:00 / 18:00~21:00
11:30~18:00(日曜祝日)
月曜定休