人材力×経営力=業績の最大化 上村中小企業診断士事務所のブログ

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従業員さん主体の生産性向上支援 「指示待ち」を解消して組織を活性化

補助金と従業員モチベーションになんの関係が?

 

 

ものづくり補助金の採択結果 が発表されました。

 

補助金の採択事業者さんには常連さんがおられます。

 

今回の結果を見ても「あ、また補助金採択されてはるやん!」という知っている企業さんが何社か。

 

その中には、社長さんご自身が一生懸命に頭の中にある事業計画を文書化して申請書をつくり、何度も採択されている、すごい社長さんがおられます。

 

そういった社長さんの企業は従業員さんのモチベーションも高いように思っています。もちろん統計があるわけではなく、私の主観ですよ。

 

補助金申請には事業計画がつきものですが、補助金の審査員は、経営や技術支援の専門家が行うことが多く、決してその業界のプロではありません。

プロではない審査員に分かりやすく補助金申請の事業計画を文章で理解させることは、企業内で経営幹部同士の会議のような、プロがプロに説明するのとはまた違った難しさがあります。

 

文章は平易に、簡潔に分かりやすく、わかりにくい専門用語は理解されません。

それでいて事業内容を正確に、かつ、収益性・実現可能性・新規性・革新性があるというプレゼンテーションになっていなくてはなりません。

夢や希望を感じさせなければなりません。

 

事業計画を補助金申請としてプロではない審査員にも伝わるよう、きっちりと文章化出来たら。

これって、従業員さんにも当然伝わりますよね。

 

事業がどういう目的で、どういう方法で、どういう目標を持って行われるということを知っていれば、従業員さんの仕事の指針となるわけです。

指針があれば、迷うことなくどんどん仕事を進められます。

 

人がストレスを感じるのは、この先どうなるか分からない、自分で物事を進めることが出来ない、ことらしいです。

一言で言えば先の見通しが立たないことです。

 

事業計画があれば、この先どうなるのか、どうすればよいのか、従業員さんにも先の見通しが立つようになります。

夢や希望を感じることが出来ます。

プロではない補助金の審査員が理解できるレベルの分かりやすい事業計画なら、従業員さんは十分に理解した上で業務に従事できるでしょう。

 

もちろん、補助金の審査員に説明するように、従業員さんに事業計画をきちんと説明しなければなりません。

 

事業計画を経営幹部だけで秘密にする企業さんもあります。

例えると、船長に行き先を告げられずに舟を漕ぐようなものです。それって怖くないですか?

どこに連れていかれるねん!って。

 

情報漏洩の心配は理解できますが、従業員さんが自分の仕事は何を目的に行っていて、それが会社にどういった貢献をもたらしているのか、事業計画のどの部分を担っているのか、それらをきっちり伝えてあげることがモチベーションとなります。

 

 

 

事業計画をつくる必要性は理解できても、上手く作れないという経営者さんがほとんどです。

また、事業計画は自分の頭の中にあるので、文章化して事業計画書にする必要が無いと考えておられる経営者さんも多いです。

 

補助金の獲得という目的があれば、事業計画書の作成にも取り組みやすいと思います。

補助金申請を事業計画書作成のひとつのきっかけとされても良いと思います。

 

上村中小企業診断士事務所HP

少し古いデータですが、平成26年 内閣府「ワークライフバランスに関する個人・企業調査」での資料です。

 

残業削減に効果的だと思われていて実際に取組まれているのが、

 

「計画的な残業禁止日の設定」

「上司からの声かけ」

「入退時間のシステム管理と警告」

 

半ば強制、力技という感じですね。「じゃあ、忙しいときは誰が仕事をするねん!残業したくてしてるんとちゃうわ!」という社員さんの不満が聞こえてきそうです。

言うは易し ですね。

 

 

残業削減に効果的だと思われているが取組まれていないのが、

 

「短時間で質の高い仕事をすることを評価する」

「担当がいなくとも他の人が仕事を代替できる体制づくり」

 

こっちが本道なのですが、 行うは難し です。

 

「取組まれている」方の内容は、「残業を止めなさい」と言うだけという印象です。

「取り組まれていない」方の内容は、経営者さん・管理職さんの裁量で行う内容です。それが出来ていないという事は、それだけ難しく、どうすればよいか分からないのかもしれません。

 

「短時間で質の高い仕事をすることを評価する」に関しては、

この仕事はこれくらいで出来る という標準時間の設定が無いと短時間で出来たのかが分かりません。

標準的な仕事の質が何なのかが分からないと質が高いかどうか分かりません。

その先に短時間で質の高い仕事をするための取組があります。

教育訓練・現場改善・機械化・IT化などです。

 

「担当がいなくとも他の人が仕事を代替できる体制づくり」については、まず代替できる・代替しやすい仕事は何か、代替したい仕事は何か、現状把握を行い、その先として多能化を進めなければなりません。計画的な教育訓練が必要ですし、作業標準や手順書の整備も必要です。

 

根本的な解決には時間も労力もかかりますが、忙しくても、多少の無理をしてでも進めないと、仕事の効率は上がりませんし残業も減りません。

繁忙期には無理でも、仕事量が落ち着いたときに、次の飛躍に向けて体制を整備するのは重要です。

 

上村中小企業診断士事務所

業績の良い会社の経営者さんは、

社員さんの「働きやすさ」に気を配っている。

 

工場や事務所がきれいで休憩室も充実。

休暇も取りやすく、時間単位の有給休暇取得が出来る。

細かいところでは作業者に合わせた作業台の高さ調整や目に負担の少ない照明など。

 

働きやすさに気を配っているから業績が良いのか?

業績が良いから働きやすさに気を配れるのか?

 

答えは 働きやすさに気を配っているから業績が良い であると思う。

 

働きやすさに気を配れば必ず業績が良くなるわけではありませんが、業績が良くなる要因の一つにはなると思います。

 

もちろん社員さんへの「優しさ」「愛情」という要素もあるのですが、

単純に 「働きやすい」のだから、「働ける」 よねって話で、

 

工場がきれいなのは働く人が気持ちよく働けるというだけでなく、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)による効率化でもある。

休憩室は心身のリフレッシュで作業効率を維持する。

時間単位の有給取得は仕事が忙しいときは用事がすめば出勤して働くという選択肢となる。

作業台や照明はモロに作業効率に関わります。

 

社員さんに対して「優しい」「愛情」だけではなく、生産性や効率等の実益を考えたときに「働きやすさ」が必要であるという考えを経営者さんが持っているということ。

人・モノ・金という経営資源に対し、(関心の行きがちな)金・モノだけではなく、バランス良く人にも手を打っているということでしょうか。

 

これが単なる社員さんへの「優しさ」「愛情」という意識だけでは、継続して「働きやすさ」に手を打つことは出来ないでしょう。

 

そして、こういう企業さんは、この人手不足の中でも比較的採用に困っていない。

モチベーション向上に金銭的インセンティブが必要?

 

私の支援分野の一つ、現場改善では、改善提案制度を構築することがあります。これは、ボトムアップの改善提案に対して報奨金という形で金銭的インセンティブを与えることが一般的です。

 

モチベーション理論で有名なものの一つに「デシの理論」があります。

これは、給料・昇進・人間関係などの外から与えられた「外発的要因」ではなく、自らの内側にある「内発的要因」である「自己決定」や「自らの有能さの認識」などがモチベーションにつながり、内発的動機づけは外発的動機づけが介入することによって効果を失うという考えです。

 

強制や押し付けではなく、自ら進んで働きたいという意欲を引き出すのがモチベーション管理の基本であると。

だから、給料で処遇しなくても良い、金銭的インセンティブは必要ないと、これを都合よく解釈する社長さんもおられるようです。

 

では、インセンティブそのものが必要ないのか?

デシの理論は、言ってみれば精神的なインセンティブを与えることで、内発的動機づけを育てるという事ではないでしょうか。

上司の支援とか、教育とか、話を聞くとか、褒めるとか。

 

デシの理論での実験は、学生にゲームをさせて、報酬を与えたときとそうでないときを観察するという実験でした。報酬を与えないほうがゲームに没頭し、成績も良いという結果であったそうです。

つまり、楽しい事をしているとき、報酬を与えられることによってゲームが義務のようになるということでしょう。

 

ただ、現実の仕事をゲームと同じように楽しいと思える人はおそらく少数派でしょう。そういう人は経営者が働きかけなくても仕事をしてくれます。

多数派の仕事をゲームと同じようには楽しめない人に対しては?

ゲームのように楽しめるようにするには?

多様性の時代です。それぞれ仕事に対する「仕事観」といったものが違うと考えれば、一つの答えは得られないと思います。

 

お金のために働いているという人はお金がモチベーションになるでしょう。

現に日本の成果主義賃金体系では成果に対してお金を支払うことでやる気を出させようとします。

「日本の」としたのは、日本は(崩れつつありますが)終身雇用で、社員の能力やモチベーションにも企業が関与する(育てる)という考えが一般的だからです。

(海外は、成果を出した分のお給料を払う。以上!という感じで、お金は成果に支払うもので、モチベーションとは関係ないとは言わないものの、日本ほどの関連性は無いと推察します。)
 

成果と同時にやる気や忠誠心を求める日本の企業において、求める以上はインセンティブを支払うべきだと思います。タダ働きと同じようにタダやる気・タダ忠誠心は、古いタイプのブラック企業を生む土壌にもなるのではないでしょうか。

なので、日本の経営環境において、やる気を出してもらうためのある程度の金銭的インセンティブを私は否定しません。

お金はみんなが欲しいものだからです。仕事観による動機の個人差を一番カバーしてくれるのがお金であると思います。

 

自発的なやる気・忠誠心を否定しているわけではありませんよ。むしろこちらが主体となるべきです。自発的にやる気・忠誠心を持ってもらうための企業からの働きかけは必要です。それをコンサルティングするのが私の仕事なので。

 

デシの理論のように、お金ばかりが目的になるようではモチベーションは低下しますし、破綻します。

お金は与えられても与えられても満足するものではなく、際限なく支払う事も出来ないからです。

(これに関連し、ハーズバーグの2要因論というのもあります。また今度書きますが、気になればググってください。)

 

オールオアナッシングではなく、どちらも良いバランスで取り入れるのが大事です。それが難しいんですが。

 

上村中小企業診断士事務所のHP

事業計画も目的に沿ったアレンジが必要です。

 

事業計画書を拝見する機会も多いのですが、どうも内容が分かりにくいことがあります。

 

もちろん私の知識不足もあるのですが、事業計画書の目的に沿った作られ方をしていないようにも思います。

 

例えば、補助金申請が目的の場合、補助金の審査員はその業界のプロではありませんので、業界用語は理解されないこともありますし、業界の人なら持っていて当たり前の知識が無いかもしれません。

事業計画から知りたい内容も、補助金が目的に合致し、有効に使われるか?が中心となります。

 

それに対して、自社内で経営の方向性を定めるという本来の目的の事業計画書なら、経営幹部やベテラン社員は業界用語も当たり前の知識も持っているので、理解されるでしょう。知りたい内容は、自分が何を求められているか?何を行えば良いか?や、自身の待遇に変化はあるか?かもしれません。

新入社員等のキャリアの浅い社員には配慮が必要です。

 

金融機関への説明なら、返済が問題無く可能であるという説明に重きが置かれると思います。補助金と同じように業界の知識は持っていないため、業界用語や当たり前の知識は理解されません。

 

事業計画の内容そのものが変わっては本末転倒ですが、伝える相手によって若干のアレンジは必要です。

相手が何を知りたがっているか、こちらが何を伝えるべきか、相手に伝わりやすい言葉や文法など。

 

難しいことではなく、相手の立場に立つという人づきあいの基本的なスタンスですね。