昨年、失明したネコを保護した話をしました。
その後、そのネコは片目は失明しましたが、片目は見えていて元気に暮らしています。
保護した時、どうすればよいのかネットで色々な情報を調べました。
とにかく獣医に連れていく。ワクチンを打つ。その後は避妊した方が良い。獣医さんのアドバイスを聞きましょう・・・と、書いてあるホームページは獣医さんのホームページです(笑)。
保護した日、獣医さんに連れて行って、目を見てもらい、しばらく通い、その後もワクチン・避妊手術・ノミやダニの予防など、今の段階で10万円以上を獣医さんに支払っています。
計画的にお迎えしたのではなく、死にそうだった両目が見えないネコを衝動的に保護したので保険にも入っていません。
しかたがないんですが、正直、痛いなあと思いました。
それで、いろいろ考えました。
ネコを飼うハードルって上がっているんじゃない?って。
当然、猫を飼うにあたり、最低限のことはしなければなりません。
増やさないように去勢・避妊。迷惑をかけたり、事故にあわないように室内飼育。
その最低限が、だんだん増えてるんじゃないかと。
もちろんネコにとっていいことなんですよ。否定しているわけではないのです。
実は、先住ネコがいまして、こちらは元気な状態で保護したので獣医さんには連れて行っていません。
なかなか懐かない子で、無理に抱っこすると大暴れするので獣医さんに連れていけなかったんですが。
避妊もしていません。(獣医さんに連れていけないので。)
完全室内飼育で、外に出さないように気をつけています。
多分、こんな飼い方は獣医さんの立場では望ましくないと言われるんでしょう。
話は変わりますが、私が20代の頃の話、両親の知り合いの方が亡くなったのです。癌だったのですが、そこのご家族は、治療のために自宅を売却されたそうなのです。
助かる見込みは低かったらしいのですが、僅かな可能性にかけられたのでしょう。
一方、私の知り合いも癌で亡くなったのですが、後に残る家族のことを考え、お金のかかる延命治療を拒否し、自宅で亡くなりました。
どちらが正しいとは言えません。どちらも自分の命・ご家族の命・人生をかけて考えての選択です。
ネコと人を例えるのは不謹慎かもしれませんが・・・。
ネコにできうる限りの愛情を注ぎ、健康状態をチェックし、獣医さんに連れていき・・・。
それは正しい。
それが当たり前。
でも、一方、近隣では毎年子ネコが生まれています。そして、多くがいつの間にかいなくなります。
親離れして遠くに行ったり。
ウチのネコのように縁があって誰かに飼われたり。
そして亡くなったり。
ノラネコの寿命は2~3年とのことです。交通事故や栄養状態が悪いことからの病気など。ウチの片目のネコは、梅雨の長雨が原因で風邪をこじらせたみたいです。そして、ウィルスが目に入った。
1日連れてくるのが遅かったら死んでいたと獣医さんから言われました。
そして、ウチの子の母ネコは今年の始め、近所で死んでいました。
まだ、2歳にもなっていないのに。
ノラで生きるのはまさに命がけなんですね。
かわいそうなネコを拾うとエサやトイレだけでなく、お金がかかる。一生涯、獣医さんがお勧めする理想の育て方をすると、エサやトイレなどの日常の経費を除いて数十万円かかるでしょう。
特にノラネコは病気や障害を持っている子もいます。
年齢を重ねて病気になると、治療費は数十万円とか、もしかすると100万円以上。保険はあるのですが、それもお金はかかります。
それで躊躇して、子ネコを保護しないのは・・・どうなの?
「ネコを飼うなら責任をもって。」・・・その通りです。
では、責任ってどの程度?
「病気になった時には数十万円を払ってまでは治してあげられないかもしれない。でも、お別れの時まで精一杯の愛情をかける。」
そういう選択肢が許されても良いと思うのです。
獣医さんが推奨する完璧な飼育を強迫観念のように思い、2~3年で死んでしまう可能性の高い環境にいるノラネコを保護しないより、100点ではなくても少しでも良い環境で生活できるなら、そちらの方が良い。
もしかすると、「そんな育て方ではネコが可哀そう。」と言われるかもしれませんが、それでも私は保護する方が良いと思う。
理想的な飼育でお金もかけてあげて天寿を全うして15年。
ノラネコなら事故や病気で2~3年。
お金はかけられないができるだけの愛情をかけて8~10年。
私ならどうするか?
その時にお金があれば100万円でも200万円でも出すかもしれません。
でも、その時に出してあげられなくてもウチのネコは分かってくれると思うのですが・・・。 どうでしょう?