受診のあと家に帰ったけど、だんだんと 息苦しさは増していった。

週末近くなるとしんどくてお風呂も
入るのをやめた。

ポート抜去後の処置をしないといけないからお風呂は欠かさず入っていたけど
もうそろそろ限界かな…と。

そんな話を聞いた友だちが
休みの日に駆けつけてくれた。

会っても息切れして話せないからって言ったけど
「話さなくていいよ!30分背中さすりに行くだけやから」と。

そして彼女はほんとに30分、背中をさすってくれた。
不思議とさすってもらうと痰がたくさん
出てきた。

「私がさすると悪いモノが全部出るよ」と
笑いながら言ってた。

帰り際に
「amiちゃん、大好きやよ」と言って
ハグしてくれた。

そんなことされたら泣いてしまうやーん…

「いいやん、たまには泣いたらいいんよ」

そう言われたら涙が止まらなくなった。

彼女の前で初めて声を出して泣いた。

そして受診の日…

もう自分の足で歩ける自信はなかった。

病院に着くと車椅子に乗って息子に押してもらった。

緩和の看護師さんと会ったときに
入院したいと話したら
すぐに話が進み、評価のためのCTを撮った。

今回は抗がん剤治療ではなく、息切れ、
呼吸困難、疼痛緩和を目的とした入院で
運良く?
緩和ケア病棟の個室が空いていたので
そこに入院することになった。

今回は今までとは少し意味合いの違う入院になる。

CTの結果も全体的に影は大きくなっていて抗がん剤の効果はみられなかった。

今の状態じゃステロイドも減量できない。
抗がん剤もポートがないから使える薬も
ないって。

あと、どれぐらい時間はありますか?

やっとの思いで聞いてみた。

「そうですね…
子どもさんたちに何か話をしておかないといけないこととかがあれば、早い方がいいと思います」

いつも前向きだった先生の口から
初めてそんな答えが出た。

「それならもう告知された時から少しずつ
話してきたし、今回の入院の前にしないといけないことは整理してきたので大丈夫です」
そう答えた。

そうか…
もうそろそろ会いたい人には今のうちに会ってた方がいいなぁ。

いつ、何があっても後悔しないように。

そんな時、娘が帝王切開で無事に出産を終えた。

思っていたより出血も多くて大変な出産だったけど…なんとか母子ともに無事で良かった。