出演 徳恵翁主(ソン・イェジン) キム・ジャンハン(パク・ヘイル) ポクスン(ラ・ミラン)
ハン・テクス(ユン・ジェフン) 宗武志(キム・ジェウク) 李方子(戸田菜穂)
あらすじ
日本統治時代の韓国。李氏朝鮮第26代国王から初代皇帝となった高宗の娘・徳恵翁主(ソン・イェジン)は、1925年、朝鮮総督府によって14歳で日本に留学させられる。
数年後、東京で徳恵は、大日本帝国陸軍少尉になった幼なじみのキム・ジャンハン(パク・ヘイル)と再会。
ジャンハンは祖国の独立運動のメンバーで、徳恵を亡命させるための計画を進めるが……。
もう、また脱力した映画。もちろん、フィクションです。でも、史実を元に制作されています。
どこまでがフィクションで、どこからが史実なのかわかりませんが、写真等残っているところを見ると、
まま、史実に近いかなと・・・。
ぜひ、観て知ってほしいので、ネタバレはしません。
主人公の徳恵翁主は、大韓帝国皇帝・高宗の末娘、つまり朝鮮王朝最後の王の娘。
祖国を離れ、敵国である日本へ留学させられる王女。
そして、その後38年間祖国の地を踏むことが許されなかった悲劇の王女。
朝鮮王朝末期のお話は、日本が深く関わり、日本の支配や暴挙に声も出ません。
とても、デリケートな問題とはいえ、知らないことにいつも脱力します。
来日してからの徳恵翁主は、何をするにも天皇の許可が必要で、結婚相手も決められてしまいます。
終戦を迎え、やっと祖国に戻れると思いきや、朝鮮側から入国を拒否され・・・。
朝鮮の王族、国同士のしがらみ等、私の日常には遠い存在のお話にも感じましたが、
最後は胸を打たれました。
ラスト、皇宮にいる笑顔の両親が大人になった王女を迎えるシーンがあります。
「よくがんばったな。」と、声をかけられる王女。
私も寿命をまっとうして、両親の元に旅立った時(母はまだ生きていますが)、
「よくがんばった」と、言ってもらえる生き方をしたいと思いました。
出演者の演技も、迫真。王女を演じたソン・イェジン、朝鮮人だが日本にうまく取り入ったハン・テクスを
演じたユン・ジェハン、二人の演技は圧巻です。
来日したホ・ジノ監督はこう語っています。
「今作は韓国人の視点から見た韓国王室の物語であり、日本の観客の方にとっては居心地の悪い部分があるかもしれない。でも今作が描こうとしているのは、悲劇的な人生を生きたひとりの女性の物語。
見た方々には、理解・共感していただけるのではないかと思っている」
こんな波乱万丈があるのだろうか、それも遠くない過去に日本で。
時代に翻弄された一人の女性の物語。ぜひ、ご覧いただきたいと思います。