ビー・エム・ダブリュー(BMW)は4月12日、コンパクトカーの「MINI(ミニ)」を発売した。7年ぶりの全面改良で、丸いヘッドランプなど 先代までのデザイン性を維持しながら車体を大型化、パワーや燃費性能を向上させるとともに、先端安全装備などのオプションも充実させた。
2つのエンジンそれぞれに6速自動変速(AT)車と6速マニュアルミッション(MT)車を品ぞろえし、1.5L直列3気筒ターボエンジンを搭載する「ミニ クーパー」は最高出力136馬力・最大トルク220N.mで燃費はAT車で17.9km/L。2L直列4気筒ターボエンジンを搭載する「ミニ クーパー S」は最高出力192馬力・最大トルク280N.mでAT車の燃費は17.6km/L。先代より全長で10cm、ホイールベースで3cm拡大して居住性を 向上させながら車両重量を1170~1270kgと約30kg増に抑えただけに、パワーは十分。0-100km/h加速はクーパーSで6.8秒(欧州仕様 車)を誇る。
内装は各所に配置された円形デザインとトグルスイッチが特徴的で、8.8型ディスプレーを持つ専用ナビはコックピット中央部 に位置し、運転席前方には速度や行き先などを示すナビ情報がヘッドアップディスプレーで表示できる。価格は266万~332万円、販売目標は非公表。
■研究員の視点「プレミアムコンパクトの名に恥じない性能・乗り心地と価格」

フォルクスワーゲングループジャパンの「ザ・ビートル」をベンチマーク商品として採点した(ベンチマーク商品の概要は記事末に)
BMWはミニを「プレミアムコンパクトカーのセグメントをつくり、今もそのベンチマークだ」と胸を張るが、その言葉通り日本では絶大な人気を誇る。外国製 メーカー車の2013年度のブランド別販売台数では多様な車種を持つフォルクスワーゲン(VW)やメルセデス・ベンツなどに次ぐ6位。1959年に英国で 生まれ、2003年にBMWグループに入り、より大型のクロスオーバー車など7モデルに品ぞろえを拡充してきた。今回全面改良したハッチバックは押しも押 されもせぬ旗艦車種だ。
後席は一般的な体格の日本人男性で辛い姿勢を強いられた英国社製時代からは想像もできないほど居住性が向上し、荷
室容量も先代から51L増え211Lになるなど大型になった。「ゴーカートフィーリング」の乗り味に代表されるミニらしさはより洗練度を増した。走行感重
視で加速できるスポーツモードや燃費を重視しながら走行できるモードなどの味付けはメリハリがあり、2Lエンジンを持つ「クーパーS」は燃費重視のモード
で急な坂道を登っても、もたつきを感じさせることのないパワーを持つ。衝突被害軽減の自動ブレーキ、アクティブクルーズコントロール、駐車支援のパーキン
グアシストなどオプションの先進装備は多様。外観色11種にボンネットの色も選べ、内装でも色、シート柄などの選択肢が豊富で他にはない自分だけのクルマ
にすることができる。ただ、価格もかさむ。クーパーSに安全装備パッケージやヘッドアップディスプレーなどの各種装備を加えると軽く400万円を超え、性
能・乗り心地だけでなく価格もプレミアムになる。
■評価委員のコメント「期待に応えるモデルチェンジ」「ゴーカート感覚の走り味わえる」

「7 年ぶりのフルモデルチェンジで、待ちわびていた人も多いかと思われるが、その期待に十分に応える車にしっかりとなっている印象。外観はフロントフェースは 従来のMINIのデザインを踏襲しているものの、全長・全幅が広がったことで存在感が増した。この大きくなったサイズが走行性能を求めるミニにとって大き なメリットとなったのは間違いなく、30mm伸びたホイールベースは居住性向上にも貢献している」(同業他社委員)
「パッと見は旧型とさほ ど変わらないが、メカニズムは大きく改良され、最新装備も充実している。要するに『伝統のスタイルを保持しつつ、魅力に磨きをかけた』といっていい。今回 の3代目は『大きく進化した』と認めて、買い替えに動く、熱心なミニファンは少なくないだろう。当初は目標を大きく上回る販売台数を上げるはずだ」(流通 委員)
「日本ではミニの人気が高く、発売前からヒットが約束されているようなもの。3気筒1500ccと4気筒2000ccの直噴ターボ仕 様エンジンのみが搭載されていて、いずれもけっこうスポーティーな走りを示す。特に2000cc車はミニならではのゴーカート感覚の走りが味わえる。モー ドの切り替え機能もメリハリの利いた設定。そう遠くない時期に、1200ccエンジンを搭載したベースグレードも追加される予定で、本格的に販売が伸びて いくだろう」(学識委員)
| 対象商品 | ベンチマーク商品 | |
| 製品名/メーカー名 | MINI(ミニ)/ビー・エム・ダブリュー | ザ・ビートル/フォルクスワーゲングループジャパン |
| 価格 | 266万~332万円 | 264万9000~395万8000円 |
| 販売目標 | 非公表 | 非公表 |
| 発売 | 4月12日 | 2013年10月8日一部モデル追加 |
| ミニクーパーS 6速AT(332万円) | ザ・ビートル・ターボ(361万5000円) | |
| 大きさ | 全長3860×全幅1725×全高1430mm | 全長4270×全幅1815×全高1495mm |
| エンジン・排気量 | 直列4気筒DOHCターボ・1998cc | 直列4気筒DOHCターボ・1984cc |
| 最高出力 | 141kW(192PS)/5000rpm | 155kW(211PS)/5300~6200rpm |
| 最大トルク | 280N.m/1250~4600rpm | 280N.m/1700~5200rpm |
| ホイールベース | 2495mm | 2535mm |
| 車両重量 | 1270kg | 1380kg |
| 最小回転半径 | 5.15m | 5.0m |
| 燃費(JC08モード) | 17.6km/L | 13.4km/L |
【ベンチマーク商品】
フォルクスワーゲングループジャパンの「ザ・ビートル」。13年10月発売の「ザ・ビートル・ターボ」は標準車に比べ100馬力以上も勝る211馬力を誇 る2L直列4気筒ターボエンジンを搭載、18インチのアルミホイールに大型リアスポイラー、内装では本革ステアリングなどによりスポーティーさを強調。油 温計やストップウオッチなどの3連メーターもオプション装着できる。価格は361万5000円。
「新製品
解剖」では、注目の新製品を、同業他社や販売店の担当者、評論家など3~5人の専門家が評価。新規性など12項目で競合製品(ベンチマーク商品)と比べた
優劣を「非常に優れる」(6点)から「同等」(3点)、「非常に劣る」(0点)までの7段階で各専門家が採点し、その平均を算出しています。天気のイラス
トで表す「ヒット予報」も各専門家の評価を平均した結果です。製品力と販売力は、各評価項目の平均得点を基に★の数で表記(満点なら5つ)。その製品力と
販売力を発揮した場合に期待できる売上高の理論値を商品力指数(ベンチマーク商品=100、最大400)として示しています。