2日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反発。前週末比の上昇率は2%に迫り、取引時間中で約2カ月ぶりとなる1万4900円台に乗せた。米株高や円安・ドル高に加え、日経平均がチャート上 の節目である100日移動平均(前週末時点で1万4747円)をあっさり突破し、売り方を含む投資家が株式の「持たざるリスク」を意識したことも上昇に弾 みを付けたようだ。ただ投資家心理の好転だけできょうの大幅高は説明できない。主力株が商いを伴いながらじり高となる展開から「長期的視点の海外投資家の 資金が入っているのではないか」(岡三証券の大場敬史シニアストラテジスト)との見方が広がりつつある。
「これほど上がるとは思っていなかった」(国内証券のストラテジスト)。時間とともにじわじわと水準を切り上げる午前の相場について、こんな驚きの声があがった。
目を引いたのが、商いを伴ってじり高となった主力株だ。トヨタ自動車(7203)は 一時1.2%高の5830円と約2カ月ぶりの高値を付けた。上昇率はさほどでもないが、売買代金は東証1部で2位だ。トヨタの売買代金は前週5月28日か ら30日にかけて280億円→401億円→658億円と着実に増加。株価は2日前場も含め、直近8営業日で7日上昇している。
「出遅れ銘柄」の見直しも進む。日立製作所(6501)やTDK(6762)の上昇率は一時3%を超えた。いずれも1月に年初来高値を付けた後は右肩下がりで、5月下旬に同安値を更新していた。株価が出遅れ、投資指標面でも割安感のある銘柄を下値で拾うという機関投資家の投資パターンに合致する。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「(市場全体に)商いが低迷していた2週間前とはがらりと相場の雰囲気が変わってきた」と話す。
短期だけでなく長期のマネーも日本株への見方を変えてきた背景には「消費増税に伴う駆け込み需要の反動減の影響が限定的だったことが判明し、『もや』がか かっていた日本株見通しがやや晴れてきた」(野村証券の伊藤高志エクイティ・マーケット・ストラテジスト)ことがあるという。さらに「日経平均が5月26 日に75日移動平均を超えたところで、長期資金の流れが変わった」(いちよしアセットマネジメントの秋野氏)との指摘もある。相場の大きな流れの変化に、 長期資金もついに買い出動せざるをえなくなったというわけだ。
相場の先行きについて市場では「主な移動平均を全て超えてし まったため、4月3日の取引時間中の高値(1万5164円)を超えると、一段と上振れする可能性が高い」(国内証券のストラテジスト)との声がある。売り 方の買い戻しにとどまってきた相場が終わり、腰の据わった買いが1万5000円の突破を主導する流れに期待する声が市場で大きくなっている。〔日経 QUICKニュース(NQN) 中山桂一〕