昨年秋、ヤフーが出店料を無料にした電子商取引(EC)サイト「ヤフー!ショッピング」は3カ月間で9万件の店舗や個人から登録申請を集めた。出店審査の手続きが異なるため、単純に比較はできないが、4万2千店を抱える楽天の仮想商店街「楽天市場」と肩を並べる勢いだ。
宿泊予約でもヤフーは、成約手数料を無料化して中小の旅館やホテルの取り込みを狙う。集客力を高め、楽天トラベルなどとの差を一気に縮める考え。旅館への営業を強化するため、20~30人の営業人員の採用も視野に入れている。
ECや宿泊予約では無料化と一線を画す楽天だが、買収で事業拡大を狙う動画配信や対話アプリなどでは「入り口」無料化の戦略を採る。利用者をいかに増やし、どこで稼ぐか。各社の試行錯誤が続いている。
三井住友銀、ベア決定 19年ぶり
三井住友銀行は27日午前に始まった春季労使交渉で、19年ぶりにベースアップ(ベア)の実施を決めた。本業の業績が好調で、安倍政権が賃上げを
促していることにも配慮する。三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行も同日午後に開く労使交渉でベアを認める見通し。3メガ銀行が足並みをそろえる。三井住友銀の労働組合は27日、毎月の給与を平均で0.5%引き上げるベアを経営側に正式に要求した。経営側は要求通りに応じる方針を回答。前年比5%増の一時金の要求にも満額で回答し、妥結した。一時金は2001年の三井住友銀発足以来、最高水準となる。
株価の上昇や景気改善の追い風を受け、三井住友フィナンシャルグループは14年3月期に最高益の更新を視野に入れる。中期経営計画の目標も軒並み達成することから、従業員の働きに報いる姿勢を鮮明にした。
大手銀行は1990年代後半の金融危機時に公的資金の注入を受け、不良債権の早期処理や公的資金の返済を最優先課題としてきた。経営体力が回復してからも、従業員への還元は一時金の増額で実施し、ベアは見送ってきた。
今春の労使交渉では自動車や電機などの主要業種が相次ぎベアを実施する方針を打ち出した。取引先企業の多くがベアに転じたのを受け、3メガ銀行も組合要求に応える環境が整ったと判断。95年以来のベア実施に踏み切る。