香道 =KODO PARIS= | パリとわたし のブログ

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昨日は香道を体験してきました。

日本で習っていた時から8年振り。

 

会場は、パリのマレ地区にある、ESTEBAN (エステバン)。

店舗の2階が日本香道のオフィスになっていて、そちらに伺いました。

 

 

 

 

”KODO PARIS -Souhitsu Hachiya NOVEMBRE 2016-” の会は、志野流の第21世家元継承者の蜂谷宗苾(はちや そうひつ)氏の来仏イベントでした。

 

志野流の歴史は、室町時代より20代500年に亘り、香道及び茶道を継承してきたそうです。

 

偶然にも先日の ザ・ジャパンストア 三越伊勢丹 のオープニングイベントで、家元とお会いしていました。(10月2日の記事に家元の写真があります)

 

 

 

 

家元からは、香道の聞き方をはじめ、灰手前、五行を表していたり、自然へのリスペクトがあることなどを伺いました。

 

 

香道では嗅ぐではなく、”聞く” と言います。

心を傾けて香りを聞く、心の中でその香りをゆっくり味わうという意味です。

 

 

香道は香気の異同によって古典的な詩歌や故事、情景を鑑賞する文学性、精神性の高い芸道で、香りで表現された世界を鑑賞するものだそうです。


 

香りを聞くだけのアトリエだと思っていたのですが、一人ずつに香炉があり、灰手前を実際にすることが出来ました。

 

 

 

お道具

 

灰を火箸で全体をかきまぜて灰を柔らかくしておき

 

香炉の中央に香炭団を埋め込み

 

火箸で灰を中心にむけて掻きあげ山を作り、灰山を軽く抑え、円錐になるよう形を整え

 

 

横から見たときの灰山の高さは、9ミリがベストだそうです。

 

銀葉挟で銀葉を挟み、火窓の上に水平に載せて出来上がり。

 

炭の加減や山の高さが1ミリ違っても香りが変わってくるそうです。

 

このようなことからも、香道の世界からも、一期一会を感じられました。

 

 

 

組香の様子

組香(くみこう)とは、何種類かの香をルールに従って聞き当てるものです。

優劣を競うものではなく、香りで表現された主題を鑑賞し、静寂の中でその趣向を味わうことにあり、和歌や物語文学の世界を主題にした組香が主流なんだそうです。

 

そういえば、日本で習っていた時には、最後にめいめいの歌を詠みました。

和歌に馴染みのない私は、毎回苦労しました。ショック!

 

 

 

今回の組香の流れですが、2種の香木を3袋ずつ用意し志野袋へ入れ、その中から3つだけを取り出し、それを聞きました。

 

家元からは 『今日のテーマは ”月” です。 聞くときはめいめいの月を思い浮かべながら、楽しんでください。』 とお言葉がありました。

 

左手前の巾着は志野袋といい、香包みを入れるものです。

ひもの結び方に十二カ月の花の結びがあるそうです。

 

今日は紅葉でしたが、写真の結びは一度解いた後なので別の結びです。

 

 

流れとしては、聞き当てる香木(見本)を先に聞き、その後3つの香木を聞きます。

3つの香木は志野袋の中で混ぜたものを取り出しているので、この時点では香木の種類は誰にも分かりません。

見本となる香木と同じ香木の場合は、用紙に ”月” 違うものは ”客” と記入します。

 

 

手前のトレイにあるのが、皆の答えが書いてある用紙です。

 

 

その後は、記録紙に組香名、香銘、回答、成績、日付等が書き込まれます。

 

 

 

通訳を務めた Verginie に誘われて参加したので、皆さんとは初対面でしたが、香水の調合師さん、茶道を教えていて茶室もお持ちのムッシューなど、素敵な方々とお会いできました。

 

茶道のジルとは席が隣で、茶会の様子や和風のお庭のお写真を見せて頂き、素敵すぎて興奮してしまいました。

来月、ジルの茶会にお招きいただいたので、今から楽しみです。ニコニコ

 

 

お香を聞いた後は、持ち寄りでのアペリティフ。シャンパン

2日間続けて持って行くものが必要だったので、両日ともお稲荷さんにしようと思い、中華の食材店で買った小さい油揚げを煮て、ミニお稲荷さんを作りました。

 

 

 


香道は動作の中に精神的な落ち着きがあり、季節の組香があったり、歌を詠んだり。。。

改めて日本文化の素晴らしさに気づかされました。

 

 

以下、頂いた資料より

 

≪香道とは≫ 

香道は禅の精神を大切にし、礼儀作法・立居振舞など約束事の多い世界であり。上達するにつれ古典文学や書道の素養も求められます。

しかし、香道の原点は何よりも、香りそのものを楽しむことにあります。

香道の作法にはすべて意味があり、全く無駄がありません。

貴重な天然の香木を炷くという行為を通して、理にかなった美しい立居振舞が学べるのも、香道の大きな魅力の一つです。

 

≪香道の精神≫

香道は精神世界の芸術です。あらゆる感性を研ぎ澄まし、ほのかにただよう幽玄の香りに、ただ無心に精神をゆだねる。

香木は生き物、その一つ一つに魂が宿ります。

この希少まれな天然香木を敬い大切に扱う。

大自然の恵み、地球に感謝し、そして彼らが語りかけてくることを聞き取らなければいけないのです。

 

 

最後に ”香の十徳” というものがあるようです。


(一)感覚を研ぎ澄ます
(二)心身を清浄する
(三)汚れを取り除く
(四)眠気を覚ます
(五)孤独感を癒す
(六)多忙時でも心を和ます
(七)沢山あっても邪魔にならない
(八)少量でも芳香を放つ
(九)何百年をへても朽ち果てない
(十)常用しても害がない

 

帰国したら、またお香を習いたいと思いました。ニコニコ