フランス語の勉強はほぼ独学でしているのですが、その中の教材のひとつとしてNetflixを使っています。
なぜなら動画をフランス語の音声・フランス語の字幕で見られるからです。
ものによっては日本語字幕がついているものもありますので、ニュアンスの分からない時には確かめることもできます。

Netflixを使ってのフランス語勉強法はまたおいおいお話するとして…

今日は先日見た『クローバーフィールド・パラドックス』のことを書こうと思います。
この先映画の内容にも触れるのでクローバーフィールドシリーズをこれから見ようと思っている方は読まないほうがいいかもしれません。

---以下、ネタバレあり---

『クローバーフィールド』は2008年に公開されたNYを舞台にした映画。
ある日突然なにものかがNYの街を襲い、人々がそれから逃げ、戦う…という襲来もの、パニック映画なのですが、この映画の面白いところは、この映画が登場人物が手にしているホームビデオで撮られているところです。
カップルの朝のシーンから始まり、急に全然違う日のホームパーティのシーンに切り替わる。
見ているうちに、ビデオテープはあるカップルの幸せな一日に上書きされたものだということが分かってくる。
そして最終的には、私たちが見ていたのは全てが終わったあとに残されたビデオテープだったのだということが分かる。
という入れ子状の構造になっているところがちょっとにくい。
ビデオを撮りながら登場人物が逃げているので画面が揺れたり、「あいつを見たか?!」という声だけが入っていたりして、その臨場感が怖い。
怪獣の全容がはっきりと映し出されないことや、そもそもどうしてこのような事態になったのかということの説明がないところがリアルで、感覚に訴えかけるなかなかに良くできた作品だなと思います。
こういうタイプの映画は1回見たらもういいかな…といつもは思うのですが、どういうわけか私は4回も見ている。

その『クローバーフィールド』の前日譚に当たる話である『クローバーフィールド・パラドックス』がNetflixで独占公開されるというので楽しみにしていて見たのだけれど、こちらは少し期待はずれでした。

世界のエネルギー危機を解決するために宇宙から何らかのオペレーションをする、という使命を帯びた乗組員たちが、パラレルワールドに迷い込んでしまい、そこからどうやって脱出するか、という内容なのだけれど、
そもそも世界危機を脱するために構成されたチームであるわりに、みんなすぐにパニックに陥るし、エゴは丸出しだし。
あらゆる事態に対し冷静に善処し、自身のことよりもチームのことを優先して考えられるような人間じゃないとこのようなチームには選ばれないと思うのだけれど…というところでひっかかって、登場人物にはちっとも共感できなかった。
クルーのひとりだけはずっと自国語でしかコミュニケーションを取らないし、どのひとも感情の起伏が急すぎてついてゆけない。
宇宙空間での科学的な描写にも首をひねらざるを得ない箇所がいくつもあった。
外壁が吹き飛んだのに中仕切りのガラスは割れないとか、宇宙空間に接した瞬間に大量の水が凍ってしまうとか、…まあでもそれは「パラドックス」状態の中で起きていることなのだから、大目に見るべきなのかもしれない。
別世界と融合してしまった、という状態には面白さの可能性を感じたので、もうちょっとつめて作品を作ってほしかった。

そしてやっぱり『クローバーフィールド』シリーズのひとつであると言い切るには無理があるんじゃないだろうか…。
『クローバーフィールド』の世界と辻褄を合わせようとせずに、独自の映画を作りきったらよかったのに。
と思わざるを得ない。

…と、なぜかお勧めではない映画を紹介してしまいました。
というのも、それでもやっぱり一作目である『クローバーフィールド』はなかなかお勧めだから。
ぜひ。

 

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD] クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2012-03-10
売り上げランキング : 27901

Amazonで詳しく見る
by G-Tools