フランス国立高等音楽院/輝くセーヌ川 | パリ再認識 - Redecouverte de Paris

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パリの日常からこれからの建築を考える。

フランス国立高等音楽院(Conservatoire national supérieur de musique:CNSM)は、フランス政府 (文化・コミュニケーション省音楽・舞踊・演劇・芸能局:DMDTS)が管轄する音楽の高等教育機関。
略称はCNSM。音楽の高等教育機関としては世界で最も歴史が深く、その伝統と実績から世界各国の音楽院、音楽大学のモデルにもなっている。
のだめカンタービレに登場するパリの学校も、ここ。撮影地としても使われている。
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近現代の西洋音楽史において、重要な位置にある数多くの作曲家、演奏家、音楽理論家、電子音響音楽家、音楽教育者を輩出してきた学校であり、音楽史の歴史的現場でもある。
今なお世界有数の音楽教育機関として知られており、現在も各国精鋭の学生らが集う。
また、ダンサー、バレエダンサーの養成機関としても、 リヨン国立高等音楽・舞踊学校と共に国内トップクラス。
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1669年、ルイ14世によって、王立音楽アカデミー(Académie royale de musique)が設立され、その音楽家養成所として、王立声楽・朗読学校 (l'École royale de chant et de déclamation) がヴェルサイユ宮殿に設置された。
これらは、音楽・オペラを好んだルイ14世が、あくまでも私的な楽しみのために設けたものであったが、この2つの組織が、後のフランスにおける音楽と演劇の最大の現場として、教育機関として発展することになった。
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フランス革命真っ只中の1792年、革命政府の手によって、このルイ王家の王立声楽・朗読学校に、市民のための音楽学校が合併され、国立音楽学院 (l'Institut national de musique) へと改編された。国民公会の指名によってフランソワ=ジョセフ・ゴセックを院長とし、運営に国家予算を割り当てられた。この画期的な統合は成功し、音楽家の養成に弾みがついた。
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現在、同校は、音楽、舞踊、音楽音響学、教育の4つの部門から成る、以下の9学科に構成されている。 学科の中で、さらに楽器や分野別に専攻、専門クラスが区分けされている。
器楽科 disciplines instrumentales
声楽科 disciplines vocales
古楽科 musique ancienne
ジャズ科 jazz et musiques improvisées
音楽書法・作曲・指揮科 ecriture, composition, direction d'orchestre
音楽学・分析科 musicologie et analyse
音楽音響科 Métiers du son
舞踊科 disciplines chorégraphiques
教員養成科 Pédagogie - Formation à l'enseignement
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専攻別で入学の年齢制限が設けられており、特にピアノ・ヴァイオリンなどの専攻、専門クラスは年齢が低いことが特徴。第一高等課程(学部)は入学年度の10月に以下の年齢未満であることが条件となっている。
22歳未満:ピアノ、ヴァイオリン、フルート、ハープなど
24歳未満:サキソフォン、クラリネット、ファゴット、音楽学など
25歳未満:声楽(女性)、ジャズ
26歳未満:上記以外の弦楽器・管楽器、ギター、オルガン、古楽器、ピアノ伴奏法、即興演奏、音響学     、音楽書法など
27歳未満:声楽(男性)
28歳未満:作曲
30歳未満:指揮、音楽音響
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現在の校舎は1990年、パリ19区のラ・ヴィレット公園内、シテ・ド・ラ・ミュジックの西側に新築された施設であり、建築設計はクリスチャン・ド・ポルザンパルクによるもの。
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パリ国立高等音楽・舞踊学校において、多くの日本人に馴染み深く、また日本人留学生が存在するのはもっぱら音楽部門の方であり、帰国生や音楽関係者の間ではパリ国立高等音楽院の名称が多く用いられている。

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毎日、輝くセーヌ川。
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