好奇心 65%
恐怖心 35%

どうしよう

ここまで来たんだから腹くくれ、テツコ!

自分を叱咤し、社長の部下のマンションへ足を踏み入れました。

部屋に入りカウチに座るなり、社長は手を広げて

"おいでよ"

さっきの腹くくりはどこへやら。いざ本番を迎えようとすると、怖気づいてしまうのがテツコです。
部屋に入るまでは好奇心の方が勝っていたのに、ここへきて恐怖心の方が圧倒的勝利を収めました。そして私の口から出た言葉はなぜか

"え。やっぱり、そういうことですか。"

部下は横で
俺、別にどっちでも・・・早く決めて・・・。
という目で私たちを見ている。

そんな微妙な空気が流れる中、急に部屋が真っ暗になりました。

(え。嘘。ちょっとちょっとちょっと、ええええええええ。) 

パッと明かりがついたら、目の前に全裸の若社長がいました。

(やばいやばいやばい やられるやられるやられるうううううううううううう)
(あ、だめだめ、落ち着いて、ここで叫んだり騒いだりしちゃダメ、冷静に、落ち着いて、冷静に、冷静に・・・)


"え。あ、テツコ、彼氏以外のチン子、初めて見ました。へぇ、ちっちゃいんですね。"


冷静に考えて出た言葉とはとても思えません。けれども、このひと言が吉と出たのか、とりあえず若社長はパンツを履いてくれました。


その後一時間、

「やりましょう・やりません・やりましょう・やりません」

双方一歩も引かないやり取りが続き、「どう収拾付けるんだよ」と思っていたところに、天の助けの如く若社長の彼女から電話がかかってきて、若社長が帰ることになり、テツコも一緒に部屋から脱出することに成功しました。


待ち構えていたかのように流しのタクシーがマンションの前に止まっていて、テツコは飛び乗り、無傷で家に帰りつけました。

家に帰って、動揺していたのか、なぜか上海の彼に電話をかけて事の繊細を話しました。事のいきさつを、少々自分の都合のいいように話したのは、言うまでもありません。


そうそう。帰り際に若社長は「今日、ごめんね。ホント・・・誰にも言わないで?」と謝るので、「お寿司で流してあげます」と言ってお別れしました。 

けれども、まだお寿司に連れて行ってもらっていないので、彼以外の何人かに話しました。

1人は「お前に手ぇ出すとろくなことないなー。」と、私にではなく、若社長の方に同情していました。


あの時怖気づいたのは、やっぱり彼の事が一番だからだナァ。しみじみ思っているテツコでした。
テツコ、この間レイプされかけました。

先週末、友達の誕生日ピクニックにお呼ばれしたので、ワインをもっていそいそと出かけました。

年齢・職業さまざまな人たちが来ていて、とても楽しかったのです。
そこでテツコは1人の若社長に気に入られました。
見た目は悪くないし、インテリだし、話も面白い。

まぁ、好かれて悪い気はしない。

ピクニックの後はバーに行きました。
若社長は当然のように私の隣に座ってきて、アピールしてきました。
ミクシーの横にたまに出てくる

「気になる子にするアピールの仕方」

に書いてあるようなことを、記事通りしてくるので、内心クスクスしながら観察していました。

そうだ。私、可愛いんだった。 

楽しくてずっと話していたら、バーにいた全員して終電を逃してしまいました。

帰りの方向が同じ人でグループになってタクシーで帰ろうとしたのですが、なぜか私は反対方向のグループのタクシーに乗せられてしまいました。

男2人とテツコ。 まぁ、社長だし、遠回りして帰ってくれるんだろう。

なんて思ってウトウトしていたら

「ついたよ。降りるよ」

と降ろされました。

寝ぼけ眼でタクシーを降りたら、そこは私の家ではありませんでした。
人気のない住宅街のマンションの入り口でした。
社長と彼の部下とテツコ。

ヤバイ 

と思っても時すでに遅し。 タクシーはいずこへ。

本心を明かすと、こうなることを全部予想した上で若社長のグループのタクシーに乗りました。
テツコもバカじゃありません。

乱交パーティー

興味があったのです。
「テツコ、僕が上海に行っている間、たとえ浮気とかしても報告しなくて良いからね。 僕は見たくないし聞きたくない」

そう言い残して彼は上海に旅立ちました。

嫌なことは 見たくない・聞きたくない・知りたくない らしいです。


そして今日、用事があって実家の母に電話をかけました。
けれども母は不在で、代わりに父が電話にでました。

特に話すこともなかったのですが、せっかく電話をしたので少しお話ししました。
学校の事、アルバイトの事、最近引っ越した彼の家の事・・・

あ、そうそう。テツコ、彼のお家に引っ越しました。 前の奥さんと住んでいた家に引っ越しました。 後妻です。後釜です。

母は父に話したと言っていました。 その時の父の反応は
「はぁ?!」
一言こう言って、あとは黙ってしまったようです。


話は父との電話での会話に戻ります。

「お父さん、あのね、テツコ今広いお家に一人ですんでんの。だってね、テツコの彼はテツコを置いて上海に行っちゃったの。二ヶ月もだよ」

「ふーん、そうか・・・。・・・それで、どうだ、そっちは・・・」

お父さん!!!! 返しが下手すぎますよ!!!!

どうやらうちの父は 見たくない・聞きたくない・知りたくない のテツコの彼に似ているようです。



そんな父や、彼の反応を見て楽しんでいるいじわるテツコです。

自分はドMだと思っていたけれども、案外ドSなのかもしれません。