1025(後半戦)

彼は本当に酔っ払っていてまっすぐ歩くことができませんでした。そんな彼のコートの裾を引っ張って10分くらい散歩しました。

そしてカフェのテラスに入りました。二人してビールを頼みました。瞳孔が開いた若社長の話をハイハイと聞いていました。

 

>お前、目ぇ綺麗だなー!

 

<はぁ、ありがとうございます。

 

>俺、お前のことホント好きだよ!

 

>はぁ。そんなこと言って頂けて光栄です。

 

>俺お前のためにぜーんぶ捨るからどっか逃げよう!

 

<はぁ。そりゃどうも。

 

>よし、逃げるぞ!

 

はたまた私の手を引っ張って代金を払わずに地下鉄へ逃げ込みました。食い逃げならぬ飲み逃げです。おかしくてずっと笑ってました。

そして住宅街の駅で降りました。

 

飲み逃げの笑いもつかの間。車は通ってるけど、人気はない。 一気に酔いが醒めました(酔っ払ってないけど。)

(おいおいおい、こんなとこで、どうするんだ。)

 

>俺、今日はお前のこと無事に帰したい!

 

<はぁ、そりゃどうも。

 

>タクシー!

 

一般車に手をあげて停めようとしていました。

これはヤバイ。とりあえず一緒にタクシー乗らなきゃ。

 

私がタクシーを停めて、とりあえず反対方向の私の家まで送ってもらいました。車のドアが開くとすぐさま降り立ち

「では若社長、また!」

とお別れしました。その日はお風呂も入らずにすぐに寝ました。

 

次の日、朝メッセージがきました。

 

「おはよう。昨日はちゃんと帰れた?二日酔いで頭が痛いです。」

 

「こうやってメッセージくれたということは帰れたということですね。心配したんですよ。二日酔いは自業自得じゃないでしょうか。」

 

夕方にもメッセージが着ました。

 

「実は自分がどうやって帰ったか覚えてないんだよね。 今何してるの。よかったらお茶でもどう?」

 

17時に来たメッセージを21時に見ました。

「気づきませんでした」と一言返しました。

 

今回の一部始終を友達に話したら「もっと考えて行動しろ」とご指導を受けました。

 

さて。これからどうなるんでしょうか。

念願のアバンチュールが(2週間もないけど。)できるんじゃないかとウキウキしているテツコでした。


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