10:30
突然、先生がバタバタと走り込んできた

先生『うんとね、今日のご主人の精子運動率、いつもよりちょっと良くないんだよね...。体外受精ではなく、顕微授精の方がいいかなと思う状態なんだけど、、、ご夫婦で話し合って決めてもらえるかな?』

。。。へ?!?ガーンガーンガーン

調整してみて、数値が変わらなければ顕微授精の方がいいと思うと言われ、夫婦で呆気にとられる。え?!顕微授精??なに?!慌ててググる。

夫の運動率はいつも40%前後で、決して高い方ではなかったが、かといって問題視される数値でもなかった。(WHO基準では50%以上が正常基準)

人工受精もいつも特に問題ないと言われて出来ていたし、昨日はお酒も飲まずコーヒーも飲まず23時に寝ていた。

もちろん説明会で顕微授精の話も聞いていたけれど、事前に私たちの場合は体外受精でする予定と言われていたので、顕微授精なんて頭になかった。よって、当然自分では一切調べていなかった。

でも私以上にショックを受けていたのは夫。

『顕微授精って、精子が無い人がやるやつだよな?俺、そんな悪かったのかな...』スマホで顕微授精について調べながら、分かりやすくテンションが下がっている。

でも卵がせっかく8個採れたのに、これらを無駄にはしたくない。この際、体外受精でなく顕微授精でもいいから、確率の高い方法でお願いしよう、と二人で決断。

結局、精子調整後もそこまで数値が上がらず顕微授精をすることとなった。

11:00
夫は仕事のため、お昼12時には病院をでないといけなかったので、1度近くでラーメンを食べて戻って来ることに。私は麻酔も抜けてきたので、朝買っておいたおにぎりおにぎりを食べる。冷たいお茶が美味しい。
年配の看護師さんが様子を見にきて『食べられてます?お腹がビックリしちゃうからゆっくり食べてね。15時までには帰れますからねー』と声掛けをしてくれた。

優しい。。じーーんとしていたら、看護師さんが急に真面目な顔をして言った。

『あのね、旦那さんに精子の状態が悪かったことを責めないであげてくださいね?いつもは問題なくても、そもそも精子は日によって、アップダウンがあるものだから、今日はきっとたまたま良くなかったのね。男の人は本当にデリケートだから。何で私はこんなに頑張っているのに、精子が良くないの!と奥さんが言ったばかりにその後、夫婦生活が一切出来なくなったりしてしまったご夫婦もいらっしゃいますから。そんな時もあるよ、と気にしないであげてね』

そうか。そういうものなのか。

確かに女性より男性の方が繊細とよく聞く。私も正直少しがっかりしたけれど、こればかりは仕方がないし、旦那を責めても何も変わらないから言葉に気を付けようと思った。
看護師さんのアドバイスがありがたかった。


11:30
夫がラーメンをかきこんで戻ってくる。
病院内が激混みしている!すごい人だよ!と、謎に興奮して報告された。

私は奥のリカバリールームにいるため、外の様子がまったく分からなかったけれど、土曜は午前診療のみなので院内がすごく混んでいるらしい。前述とは別の看護師さんに『ずっと付き添ってくれて、お昼食べて戻ってきてくれて、優しい旦那さんですねー』と言われてまんざらでもない顔の夫。だが顕微授精。なんだか複雑な気持ちの私。。笑


12:20
夫は仕事へ。
私はもう少し休んだあとに内診とのこと。
少し眠る。

13:30
看護師さんに起こされる。
麻酔は完全に抜けている。
着替えて待合室へとの指示。
痛みもなく、普通に歩ける。すごい!

14:00
採卵の結果、8個すべて成熟卵だったとのこと。先生が思っていたより採れたね、と喜んでくれて私も嬉しくなる。

新鮮肺移植をするため2日後に再診。
問題なければ、4日後に移植だそう。

先生『さてあとはここから、どれだけ胚盤胞てして成長してくれるかだね。うまく成長してくれれば良いんだけど、すべてが成長するケースはあまりないから気を落とさないでね』

まず8個のうち、受精するのがいくつか。
さらにそこから胚盤胞として移植や凍結出来るまでに成長してくれるのは、いくつになるのか。インターネットによると、30%程度とのこと。ということは、うまくいって、2つか3つか...  あまり多くの期待はできなさそうだな、と思いながらお会計へ。

28万円!?!?!

思わず、めんたまがとびでる。

静脈麻酔の有無、そして採卵の個数で値段が変わるらしい。にしても、一回で28万円...

15:00
28万あったら海外旅行に行けるなぁとぼんやり思いながら、病院を出る。

ちょうど7時間の半日入院。
具合が悪かったらタクシーで帰ろうと思っていたものの、普通に歩けるし痛みもないので、スーパーで買い物をしてバスで帰宅。
卵を採っても普通に生活できるもんなんだなぁと、変なところに感動。

この日から抗生物質と、8時間ごとの腟錠、そしてお腹に貼るホルモン分泌を助けるシールが、処方されました滝汗滝汗滝汗

そしてこの8時間ごとに自分で入れるよう渡された腟錠が、めちゃくちゃ厄介なのですが、それについてはまた次回。コアラ