「難病対策拡充のためにも、ご署名をお願いします。」と街頭で声を張り上げると、道行く人々が足を止め応じてくれる。人の温かさに触れ、感謝の気持ちで満たされる瞬間である。中には学生などの若者もいて、日本の将来は明るいのではないかと思ってしまうほどだ。
私は2003年の秋から街頭署名活動を行ってきた。署名が多いほど採用される機会は増すのではと、仕事先や友人らにもお願をしてきた。
当事者運動には、国会や地方議会へ働きかける方法に「請願」がある。これには決まった書式があり、紹介者欄に現職議員1名以上の署名押印が必要。
さて、請願者は1名でも1万人でも同じ1件。請願者が異なれば、同一内容の請願をいくつ出してもよく、例えば1万名の署名簿を請願代表者100名に別けて100件として出すことがでる。この場合、1種類の100件となる。ただ、3~5名の連名で提出して、採択されたものもあるので、無理しなくてもとも思うのだが、国民の声として世論を動かしたほうが良い場合もあるので、請願を行う側の戦術によるところである。
今年も、全国から93万筆もの署名が寄せられ、「難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合対策を求めることに関する請願」が5月31日に提出された。これは、治療法確立のための難病対策の拡充、難病医療費の経済的負担の軽減、総合的難病対策の確立、看護師不足の解消などが柱。
しかし、国会の閉会が決まると、厚生労働委員会に付託された請願82種1147件の全てが、全会派一致が慣例での請願採否ができないとして「審査未了」となり廃案となった。見れば、こんなに重要な問題も流れたのかと残念な気持ちになる。
実は前年度も同様の理由で88万筆もの署名が廃案となっているが、当時の野党は民主党。政争の犠牲と言っても過言ではない。
委員会で採択された請願のうち、内閣において措置することが適当とされたもののみが送付され、毎年2回程度、処理経過が報告される。ただ、採択されても、それを立法化する等の法的根拠はないが、国会で認められたというところに重みがあり、行政機関は完全に無視すえることはできない。
何らかの対処を引き出すことにつながってくる。
なお、社会的な問題として認知されている案件は、とてもスピーディーな場合がある。これこそ政治的な判断であろう。
私たちは、超党派にこだわり、愚直にも面突破でやってきた。採択されなくても、継続して請願を行い、議員に問題を認知してもらうよう努力していくことも大切だと考えている。
地方議会である熊本県議会6月定例会での請願は1件であった。昨年が7件だったので、地方の問題は地方のこととしてもっと努力が必要と考えるよね。
この数年、街中に立つと、数メートル隣りでも、人権・環境・障害などの団体が活動を行っている。バッティングだ。
道行人も、「さっき書いたから」「そこで募金したから」とにべもない。確かに、道路の端から端まで色とりどりののぼりが立っているし、ご迷惑をおかけしているのかも知れませんね。
そんな状況下でも、女学生や子供たちは引き込む力があるようだ。勝てないな~。
初めて、議員会館で代議士に署名用紙を渡したときの、襟を正したような緊張は忘れない。
若い方々にもがんばって欲しいと思う。

