湊 かなえ 母性 ★ | yunyunのブログ

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湊さん定番、独白スタイル。今回は母と娘。
物語は読みやすくてあっという間に読み終わった。
が、この小説で描かれている母、娘それぞれの相手に対する感情があまりにも単純に思われた。
自身が親からめいっぱいの愛情を受けて育った故に、娘でありつづけたい思い続ける(母性のないとされた)母、母から心からの愛情を感じることができずそれを求め続ける娘。
この小説の母はとてもしっかり家のことをやっているし、娘に人としての模範的な考え方をたくさん教えようと努力し自らも実行していて、いいところもたくさある。
娘はこの母から小さな暴言や暴力を受けることもあるらしいのに、大変な生活を強いられている母を思いやるとっても優しい子供だと思う(私だったら暴言を吐かれたら愛情を求めるどころか一生根にもつけどな)それはお母さんが頑張っている姿を見て成長した故だと思うし、子育て大成功じゃん!みたいに全くこの小説の主旨とは違った感想を抱いてしまいました(汗)
ただお互い違う視点から語るとある状況が全く違った風景になるんですねー。これは現実世界でもいつも起こるね。。だからあちらでもこちらでも闘争が生まれているのですね。
母娘の苦しさは、かなわないと知りながら愛情を求め、相手にも同じものを求めてしまうということよりも、相手を許容できない自分への自己嫌悪や葛藤にあるように私自身は思う。親子というよりも女同士として相手を厳しく評価してしまうのでその関係は難しい。
他人だったら’あの人嫌い!’で付き合わなくて終わりで済むのにねぇ。。
あと、 ’愛能限り娘を大切に育てた’という母親の言葉に違和感を感じたという 妊娠初期の女教師のエピソードも薄かったし、湊さんらしい切れ味がない中途半端な物語だと思った。
彼女の作品は悪意の塊だったころは、いつも読後感がすごく悪くて好きではなかったけど、確かに人を惹きつける力はあったと思う。でもこの小説にはどちらも感じられなかった。。。