「パリねこ展 滞在記」 加筆版は

最初は時系列に順を追って書いていこうと思いましたが、

思いついた事、書きたい事を優先して書く事に変えました。

話の進行がランダムになって読みにくくなるけれど、ご容赦ください

 

それで今回は いきなり話が飛んで

ボクのパリ滞在最後の夜の事を書こうと思います。

 

 

「パリねこ展」に出展する作品は

主催者側から空輸できるサイズが指定されていて

そのサイズだと「だっこねこ」一体で一杯々になりました。

逆に言うと 偶然 作った「だっこねこ」のサイズが

空輸サイズにジャストフィットした「パリねこ展用」に

あつらえて作られたみたいで、

考えてみると不思議なもんです。

この箱に詰め込められるだけの夢を詰め込んで飛ばしました。

 

 

パリのホテルで寝ている「茶トラ」は

「だっこねこ」のプロトタイプの作品で

いつもは実家のお母さん所で

毎日抱かれて可愛がられていて

この「茶トラ」も出展したかったのですが、

空輸サイズオーバーで入りきれなかったので、

ボクのバックの中に入れて飛行機に乗って

ボクと一緒にパリまで来ました。

 

最初は いつも可愛がっている お母さんの代わりにパリまで連れて行ってあげよう

そんな想いで お守りのように飛行機の中のボクのヒザの上に乗せて来ました。

ボクが滞在できる最後の夜 ギャラリーを閉める時に

明日のギャラリーが開く お昼まで 展示されてる「茶トラ」を借りてきました。

明日の朝 お母さんの代わりにパリの街を見せて写真を撮ろうと思ったからです。

 

 

パリ滞在最後の夜の日 この日も無事に仕事を終えられ

ギャラリーのドアを閉めカギをかけて「茶トラ」を連れて帰る時

夜空を見上げたら三日月が輝いていた。

 

去年の紅白で観た「エレファントカシマシ」の

「今宵の月のように」がボクの中で流れていた。

 

ジ~ン とした余韻を感じながら いつもの帰り道を歩いていくと

何か いつもと違う道に迷い込んだみたいで、

まぁ方向は同じだから このまま歩いていけばホテルに着くだろうと

歩いていくと 目印になる所が一つも無く ヤバい迷っちゃったよ

とにかく道なりに歩いていけば何とかなるさと歩いていくと

妙なオブジェがある広場に出ちゃって エ?ここ何処よ?

 

それでも道なりに歩いていくとブランド品の店の前で

泥酔したオジさんが眠り込んで お店の人が警察官を呼んで揉めている

だんだん危険な所に迷い込んじゃったみたいで心細くなったけど、

それでも道なりに道なりに歩いていくと大きな公園に辿り着いた。

公園の向こうは たぶんセーヌ川 その川ごしにライトの光が点滅していた。

 

「エッフェル塔だ!」

 

何かグッとくるものがこみ上げてきた

観光なんかする間も捨てて「パリねこ展」に全力を注いだ。

エッフェル塔なんて観に行く暇がないと思っていた。

最後の夜の御褒美だったのか? 月の光に誘われて

エッフェル塔までボクを導いてくれた

 

それと同時に今自分が何処に居るのかを

頭の中に入っている地図から割り出すことが出来た。

これで帰れる 今夜迷った道は明日の撮影の予行演習になった。

明日の朝は 今夜のルートを参考にして撮影していこう

 

 

その夜は無事にホテルに帰って明日に備えて さっさと寝ました。

目が覚めると次の日の朝になっていた。

ボクがパリに滞在できる最後の日です。

ホテルの無料サービスで、朝食だけは食べ放題

クロワッサンとフランスパンとコーヒーを腹いっぱい食べて

昨夜迷ったルートを参考にして「茶トラ」を連れて撮影に出ました。

 

モンマルトル通りにて

 

モンマルトル通りの地下鉄の入り口にて

 

モンマルトル通りのカフェにて

 

オペラ通りにて

 

セーヌ川沿いのコンコラルド広場にて

 

コンコラルド広場からセーヌ川の向こうのエッフェル塔をバックに

 

お母さんの代わりに「茶トラ」を手さげに入れて

パリの街を歩きながら 良い写真が何枚も撮れました。

きっと母さんも喜んでくれるでしょう

 

この後 ボクのパリでの最後の仕事をしに

ギャラリーへと向かいました。

 

つづく