どうしたの?

誰かが何かを起こした時
当たり前のように
自然に出てくる言葉。


それがやらかした場合

どうしてそんな事をしたの?

という責めるニュアンが濃い言葉にもなる。



認知症患者さんが
真夜中に濡れたオムツを外して
そのオムツを破いて
吸水ポリマーをぶちまけているのを
見つけた時。


どうしたんですか!
どうしてこんな事しちゃったの!



暗闇で悲痛な叫びガーン


何が何だかわからず
しょんぼりしながら枕で陰部を
隠している患者さん。


どうして?
そんなことを聞いても仕方がないのに
やっぱり
癖のように口から出てしまった。


認知症患者さんには患者の理由ある。


もしかしたら
オシッコがしたくてオムツを外して
汚れたので捨てようと思ったけど
オムツが大きかったので、
小さく破って捨てようと思ったのかもしれない。

看護師を呼ぶなんて事を
理解出来ない人もいる。

そんな事はわかっているのに
思わず言葉にしてしまう。



すみません


謝る小さな声に
チクリと罪悪感ショボーン
一番哀しい想いをしているのは

真夜中に
シーツ交換やら掃除をしなければ
ならない私ではなく
この患者さんなんだよね。


大丈夫ですよ
すぐに片付けますからね
先に着替えましょうおねがい

気を取り直して
優しいナースに変身しよう愛


何事かとやってきた同僚が
うわっ!
っと、入口で立ち止まる。


ダメダメ!
その先の言葉は言っちゃダメ!

思わず、シーッと声を出さないよう
合図を送って

ベッドの隅っこで、リスのように
小さくなってる患者さんの着替えと
オシッコを吸ったポリマーで
汚れたシーツを交換して

粉雪が降った床掃除を
粛々と行った。