日付的なところは多少前後してしまうのですが、そこはお許し下さいネ。

 

 

琥珀は食べないけれど、少しだけ元気を取り戻したように見えた。

体調を見ながら、無理のない範囲でお散歩に行くのは推奨されていた。

高度動物医療センターのK先生も、「バギーに乗って外の景色を見るだけでもリフレッシュできるよ」とお話してくださったし。

 

その日の朝は、12月の澄んだ冬の空気を含んでいたけれど、陽が優しく温かい日だったのでバギーを出してお散歩してみることにした。

すぐ傍の車の通らない日当たりのいい場所をバギーを押して歩く。

夫も会議が始まる時間までは付き添いたいと3人で歩く。

シッコポイントの近くでバギーをあけてみたら、琥珀は降りたいと主張して、自分で降りてトコトコ歩いた。

シッコポイントの土の上、入念にクンクンやっていたけれど素通り。

それでもトコトコ歩く。

思ったよりもしっかりした足取りで。

歩きすぎて疲れてもいけないので、適当なところで強制収容してバギーの乗せる。

バギーには備え付けのマットがあったけれど、ふかふかのやつを敷いて、その下にはユタポンを仕込んで、更に琥珀には普段着せない洋服も。

完全防寒。

 

穏やかな朝だった。

この朝の習慣を大事にしよう と話し合う。

 

その日の午後。

腎細胞がんの疑いが出てきた10月後半から11月ぐらいにかけては、I先生から琥珀がこれからどうなっていくかの最悪のケースの説明は何度も受けていました。

 

腹水、胸水、窒息。

どれも怖いワードで、ガンで死ぬことは変わらなくても、どうに穏やかな死を。

緩和ケアで痛みや苦痛を取り除ける手立てとはなにか。

そんな話を毎回していました。

その中で、今は片肺転移だけど、両肺転移に移行すると呼吸が苦しくなるので酸素室。

最後は酸素室から出せなくなるかもしれない。そうなったら急変があっても病院に連れてこれない可能性がある という話もありました。

 

 

夫が琥珀を病院に連れて行ってくれた日、その話がまたI先生からあり。

 

肺転移していることから、いつ呼吸の状態が悪くなってもおかしくないので、酸素室を勧められる。

 現時点では必要ないけれど、12月という時期を考えて、品薄、仕事納めなどなどを考慮して早めに準備をしていきましょうということに。病院からパンフレットもらえます。

 

10月以来、酸素室の情報はネット検索して、色々な業者があることもわかっていましたけど、やっぱりこういうのは動物病院からのご紹介が安心できます。

 

 琥珀は、ラボを出て以来、バリケンが嫌いで、入ろうとしない。  琥珀用のベッドで寝ている。 

 酸素室は結構大きい音がする。 

 早めに慣れてもらうことにも意味がある。 速攻手配。翌日には酸素室はやってきた。

 

寝室の床から近いと寒いかなとホットカーペットを設置。

その上にアクリルの酸素室を自分たちで組み立てる。コロナだから設置サービスお休み中。

サービス使うまでもなく、簡単でした。

 

機械をONすると轟轟かなりの音が出る。

ボンベ式ではなく、こちらの機械で酸素が供給されるのだ。

下の階への騒音を考慮して、厚手のマットを2枚敷いて対策。

チューブを扉でつぶさないように、小さな空き箱を挟んで隙間が出来るように対策。

 

さて、琥珀は入るかな?

 

 

自主的にとはいかないので、そっと抱えて中に入れてみましたところ、予想とは違ってパニックになったり、出たいと主張することはありませんでした。

その気力がなかっただけかもしれないけれど。

 

酸素室はアクリル板ゆえ、高さがわかっていないのか、頭をぶつけていてかわいそう(-_-;)

上にタオルをかけることで高さをお知らせしてみました。

酸素室の中には、元々使っていたベッドがギリギリ入るサイズだったので入れてみて、枕代わりにさっそくダイソーで購入したボステリぬいを設置。(嫌がっていたので、のちに撤去😨)

 

琥珀は、実は足が長いのですが、これを全部伸ばして寝るのは無理で折りたたんでいた状態でした。

 

私は睡眠障害気味で、中々寝付けないけれど、寝たら最後、何があっても起きられない。

地震があったね~などと言われても全く分からず、大丈夫?と心配されるタイプなのですけれど・・・。

 

この日は、琥珀はちゃんと眠れているか、変わりはないかが気になって、夜中から明け方にかけて2時間起きぐらいに目が覚めて、暗い部屋の中、琥珀は息をしているのかドキドキしながら確認して眠るといった状態でした。

 しかも、琥珀が寝返りなりを打って立てた小さな物音にも、何事か!?とすぐ目が覚めたのは我ながらびっくり。

 

朝6時半。

目覚ましのアラームもなく、自然と目が覚めて琥珀の様子を確認。

ん?アクリルが曇っている。

ホットカーペットが暑かった?琥珀の吐息で曇るもの?

 

さて。

扉を開けてみたところ、琥珀は自主的には出てくる様子はなく、よいしょと抱えてみたところ・・・

マット、琥珀の体温が残るところがいつもより温かい気がする。発熱?

3分の1、マットが濡れている。

あ、シッコ、間に合わなかった?

 

元々琥珀は、朝方起きだして、トイレに行って戻ってきて二度寝したりしていたし。

マットを洗濯機にほおりこむ。

洗えるタイプは便利です。乾燥機までかけちゃうぞ。

 

琥珀を抱っこしてリビングまで運ぶ。

カインズの人用のごろ寝マットは、琥珀のお気に入りの居場所の一つ。

そこに寝かせて、朝ごはん。

昨日と同じく、馬肉と野菜を煮たのをミキサーにかけた流動食。とろみをつけて、ドレッシングボトルへ。

 

少量を召し上がられました。

続いて、食欲増進剤、抗生剤をこれまたごはんに混ぜて給餌。

 

 琥珀はご飯は食べないが、動けないわけではない。

お水は飲みに行ったりするのだ。ゆっくりした歩調ではあるけれど、歩く。

 

 そしてまたカインズマットに戻ってきて横になる。

しばらくして気が付いた。あ、濡れてる。

 おもらしだ。

 

 かなりの量が出ている。

 このまま寝たきりになるのかな。とふとよぎる。

 

 カインズマットは2つあるのだ。

もう一方に乗せ換える。

カバーの下に、トイレシートを仕込む。

カバーは洗い替え出来るので濡れても構わない。

温かいタオルで琥珀の身体をざっと拭く。

 

 病院が開く時間を待って電話。

すぐ連れてきてくださいと言われて準備。

 

 この頃から、琥珀は予約なしで何かあったらすぐ連れてきていい。

電話もしなくていい と言われるようになる。感謝しかない。

毎回電話していたけれど、それはきっと、それぐらいの余裕はあった ということだと思う。