飯岡層の化石【ハラブトツノガイ】 | 関東化石採集の旅

関東化石採集の旅

Yahoo!ブログの閉鎖に伴い、全ての記事を引っ越しました!

7月2日に『いちじく』さんと又々、屏風ヶ浦へ化石採集に行ってきました。

朝三時に我が家に集合!

現地到着は、朝五時半頃です。


【刑部岬】


到着時の屏風ヶ浦は、朝靄もあって気温もやや低めでしたが・・・・

奥地へ行く間に『あっ!』という間に晴天に!

【屏風ヶ浦】

それでも、海風あったため、それほど暑くはありません。(朝九時まで)

今回は、現地で化石の撮影をやや多めにしてきました。

【バラバラのスミスハネガイ】

上の画像は、スミスハネガイの破片です。
 発見時には、既にバラバラ、しかも1個体分全部ではありませんでした。(持ち帰りするレベルとは思えなかったことから、現地に放置してきました!)
ひょっとしたら別の個体も出るかな?
と周囲の岩塊をツルハシで叩いてみましたが・・・・
世の中そんなに甘くはありません。
結果、この破片だけでした。(´θ`llll)



【????】

『ヒラノイトマキツムバイ』が抜けた跡でしょうか?
これも周囲を探してみましたが、雄型は発見できませんでした。
『いちじく』さんとも話していたのですが、最近、この種類は見かけませんねぇ~


【モトリニシキ?】


今回の採集目標物をゲットです!
この化石については、現在、考察中のため、詳しいことは書きませんが、刑部岬付近で多産する【Amusium languidum (Ozaki,1958)】とは、明らかに違う種類の化石です。
産出する傾向としては、奥地の茶色い細砂泥層から産出しています。


【アラスカニシキの類似種】

Amusium languidum (Ozaki,1958)】の合弁です。【モトリニシキ?】と違い、殻の色が黒く、産出するのは粒子の細かい泥層からですね。刑部岬付近では多産しますが、奥地に行くほど産出頻度は低下していきます。


【巨大なウニの破片】

とても大きなウニの破片を採集しました。
タバコの長さが8㎝ですから、完品なら直径が20㎝ぐらいにはなると思います。
ブンブクの仲間みたいですが、現世種でも生息しているのでしょうか?


天気が良かったので、午前九時を過ぎると暑くて、採集も捗らなくなくなってきます。
やっぱり、暑さには勝てませんね。
この日は、午前十時に採集終了です。

【刑部岬】



さて、本題の化石を紹介しましょう!
今までも、現地で発見はしていたのですが、どうにも良い標本が得られずにブログへの掲載が遅れていました。
 『何時かは、良い標本が採集できるだろう?』と思っていましたが、まさか、ここまで良い標本が入手できるとは夢にも思っていませんでした。



クチキレツノガイ科
和名:ハラブトツノガイ
学名:Gadila opportunus(Kuroda&Habe,1961)
殻径:2.56mm
殻長:10.72mm
産地:千葉県旭市上永井(屏風ヶ浦)
産出頻度:稀
特徴:牛角形状をしているが、殻口上部が膨らむ形状をしており、掘足類の中ではやや小型で殻長が短い。後口部には浅い切れ込みがある。
現世種は。鹿島灘から相模湾の水深200m~780mの泥底に生息。


屏風ヶ浦の飯岡層から稀に産出する『ハラブトツノガイ』は、これまでの採集活動の成果としては、殻に光沢が無く、潰れているうえに殻が薄くてボロボロの個体しか産出していません。
たぶん、私より採集回数が多い『いちじく』さんでも、このようなハイレベルの『ハラブトツノガイ』は採集していないと思います。
自慢です!(´▽`)ノ


今夜は、以上です。
では、また!