伊豆半島は南からやって来た? | 関東化石採集の旅

関東化石採集の旅

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皆様、こんばんは。
久しぶりの更新です。
『香取市伊地山の化石シリーズ』の連載後は、燃え尽きてしまったため、暫くの期間はブログをお休みさせて頂きました。( 嘘です。ポケモンGoにハマって更新を怠けていただけです。(笑) )



さて、今夜は怠けていたお詫びにとても珍しい化石を公開したいと思います。



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レピドシクリナ科
学名:Lepidocyclina ( Trybliolepidina ) rutteni ( van der Vlerk , 1924 )
直径:3.02mm
産出層:白浜層群 下白岩層
時代:新第三紀 中新世後期
産地:静岡県伊豆市下白岩
採集年月:昭和62年5月



たくさん採集しました。

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これは、知る人ぞ知る大型有孔虫です。
標準化石であり、示相化石でもあります。
このレピドシクリナが単体で採集できることも珍しいのですが、何よりも珍しいのは、次の解説を見て頂ければ理解できると思います。


【 伊豆ジオパークの解説 】

伊豆市下白岩の石灰質砂岩には、レピドシクリナという大型有孔虫化石をはじめ、海洋性の生物化石が大量に含まれています。この化石は、この地層がたまった場所が、約1100万年前の南洋であることを示す証拠となっています。

レピドシクリナという生物は熱帯や亜熱帯の暖かい海に棲む生物です。日本周辺が今よりも暖かかった約1,600万年前には日本全国に生息していましたが、その後の寒冷化に伴い、日本周辺からは居なくなってしまいました。ところが、伊豆半島では、約1,100万年前の地層の中からレピドシクリナの化石が見つかっており、地学の世界ではナゾになっていました。

このナゾに答えをあたえたのが「プレートテクトニクス」の考え方です。

日本周辺がレピドシクリナが生息するには寒かった、約1,100万年前に、伊豆は南洋の暖かい海に位置し、そこでレピドシクリナが含まれる地層ができました。その後、プレートの運動にともなって北上して日本に衝突したため、伊豆でのみ化石がみつかったのだ、というものです。

学術的に大変貴重なこの石灰質砂岩は、「下白岩のレピドサイクリナ化石産地」として県指定天然記念物 ( 平成5年3月26日指定 ) にも登録されています。

※この地点からの化石採取は禁じられています。
近くにある伊豆市資料館では、採取された化石が展示されています。


なんだか、随分と大きな話です。
3mm程度の小さな化石から、こんな壮大な過去の歴史が推測できることがとても珍しいとは思いませんか?
(^-^)





おまけ

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ピカチュウを苦労してゲットしました!