印旛沼周辺の露頭からは採集されていませんが、千葉県南部の下総層群からは良く採集されています。
しかし、二ツ沼で採集した『クロマルフミガイ』とは形が少し違うようです。
まずは、二ツ沼産出の標本を見てください。
和名 : クロマルフミガイ
学名 : Cyclocardia ferruginea
殻長 : 12.55mm
殻高 : 12.66mm
産地 : 福島県双葉郡広野町二ツ沼
産出層 : 多賀層群 富岡層
時代 : 新生代 新第三紀 鮮新世 後期
※ 多産しました。
右側 : 多賀層群 富岡層
(福島県双葉郡広野町二ツ沼 産出)
中央 : 下総層群 藪層
(千葉県市原市大字瀬又 産出)
左側 : 下総層群 上泉層
(千葉県木更津市大字畑沢 産出)
【相違点】
二ツ沼産出の『クロマルフミガイ』は、千葉県産出の標本に比べて形状が円形に近いです。
時代の古い順番が、富岡層→藪層→上泉となり、時代が新しくなるにつれて殻長が長くなる傾向が見られます。殻表の放射肋数や形状について特に違いは見られないようです。
次回は『エゾタマキガイ』です。