印旛沼周辺の化石 その91 | 関東化石採集の旅

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今日は4日に採集した仲村の木下層から、新しい種類の二枚貝を紹介いたします。
例によって類似種が存在することから、比較をしながら、その貝類の特徴を解説いたします。




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マルスダレガイ科
和名 : ベニワスレ
学名 : Sunettina solanderii
殻長 : 19.03mm
殻高 : 14.30mm
産地 : 千葉県印西市大字吉高字仲村
産出層 : 下総層群 木下層
産出頻度 : 稀
特徴 : 殻は亜楕円形で小型。殻質は厚く膨らみは弱い。殻表は平滑で光沢がある。腹縁周縁は細かく刻まれる。類似種の『シマワスレ』より殻頂は前縁に傾きが強く、前背縁に反りが認められる。また、盾面は細長く、両殻間に深く窪む。


現世種は、相模湾以南の水深10~50mの砂泥底に生息。



【類似種との比較】

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上 : シマワスレ
中 : ワスレガイ(幼貝)
下 : ベニワスレ

※ 全て仲村の木下層から産出したもの。
とても紛らわしい。(>_<)
大きな違いは、殻頂の傾きと盾面の深さ。前背縁反り具合の違い。













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ニッコウガイ科
和名 : シラトリモドキ (幼貝)
学名 : Heteromacoma irus
殻長 : 30.60mm
殻高 : 23.64mm
産地 : 千葉県印西市大字吉高字仲村
産出層 : 下総層群 木下層
産出頻度 : 運
特徴 : 殻は亜卵形で成貝は60mm前後に成長する。殻質はやや厚く硬質。膨らみは弱い。後背縁は直線的で、後端が尖る。小月面は小さく深く窪む。


現世種は、北海道南西部から九州までの潮間帯の小石混じりの砂泥底に生息。



【類似種との比較】

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上 : シラトリモドキ
下 : ゴイサギガイ

両方とも仲村の木下層から産出。










次は、印旛沼周辺の化石を一緒に採集している盟友みたらしさんのブログ『化石に魅せられて』で先に掲載された貝類です。


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チドリマスオ科
和名 : クチバガイ
学名 : Coecella chinensis
殻長 : 21.36mm
殻高 : 16.32mm
産地 : 千葉県印西市大字吉高字仲村
産出層 : 下総層群 木下層
産出頻度 : 少
特徴 : 殻は丸みのある亜三角形で小型。殻質は厚く膨らみは弱い。殻表は平滑でやや光沢がある。類似種の『キタノフキアゲアサリ』に比べて、ほぼ等側、等殻。

現世種は、北海道南西部から九州までの潮間帯上部の砂礫中に生息。




【類似種との比較】

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上 : クチバガイ
下 : キタノフキアゲアサリ

両方とも仲村の木下層から産出。
これも紛らわしい。(>_<)




微妙な違いで種類が変わる典型的な3種類ですが、皆様は違いが理解できましたか?

今日の判別が現地で出来れば、貴方も貝殻マニアの仲間入りです。(笑)