ジャニーズに公取委が注意 元SMAPテレビ出演めぐり
関係者によると、ジャニーズ事務所から独立した元メンバーの稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんをテレビ出演させないよう同事務所が圧力をかけているとの情報があり、公取委が聞き取り調査などを実施。その結果、違反行為は認定できなかったという。
ただ、こうした行為があれば独禁法に触れるおそれがあると公取委は判断。ジャニーズ事務所に対し、未然防止のための注意を行ったという。独禁法は、本来自由である契約を不当に妨害する行為を禁じている。
SMAPは2016年12月に解散。5人のメンバーのうち、稲垣吾郎さんと草なぎ剛さん、香取慎吾さんの3人が17年9月、ジャニーズ事務所から独立した。現在は新たに設立された事務所で活動している。
関係者によると、ジャニーズ事務所は民放テレビ局などに対し、3人を番組で起用しないよう要請。従わない場合、同事務所の所属タレントをそのテレビ局に出演させないことを示唆するなどした疑いがあるという。
公取委は、同事務所の関係者らから事情を聞くなどして調査を進めていた。その結果、独禁法違反とまでは認定できなかったが、違反につながりかねない状況が確認できたとして、今月に入り、同事務所を注意したという。
独禁法は、競争関係にある他の事業者とその取引相手との取引を不当に妨害する行為を不公正な取引方法の一つ「競争者に対する取引妨害」として禁止。公取委は、ジャニーズ事務所の行為が、3人が所属する新たな事務所と民放テレビ局などとの取引を不当に妨害することにつながりかねないと判断したとみられる。
芸能人と所属事務所の関係を巡っては、強い立場にある事務所側が、芸能人個人に対して不利な契約を強いるなどし、独立や移籍を巡りトラブルになるケースがある。公取委は昨年2月、こうした関係が独禁法に抵触する恐れがあるとして事例を具体的に公表し、違反かどうかは「個別に判断する」としていた。
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