母親と同じ姓の女性を部屋へ入れた。
徳羽 麟は、丁寧なあいさつを済ませると
手土産のお茶菓子を差し出した。
「どうも、ご丁寧に・・・・。
それで、大切な話とはなんでしょうか。」
RENは本題を聞きたく、切り出した。
「結論から申しますと
蓮太郎様には、御園家から養子を外れ
徳羽家に養子に入っていただきたいのです。」
また養子縁組の話か。
RENはうんざりだった。
「一般的にはありがたいお話しですが
私は、両親とも不明な孤児です。
先代より守られている家柄の血を汚すことになります。
・・・・・・お断りさせていただきます。
大切なお話はこれだけでしょうか?」
RENは、自分の穢れを打ち明け
麟に引き取ってもらうよう会話を促した。
「徳羽家の血は蓮太郎様の中に流れております。
あなたを御生みになったのは
あなたのお母様の双子の妹君、蘭-らん-様です。
あなたを御生みになられて一か月後。
仕事の為に、夫婦で海外へ出張された時でした。
乗られていた列車が、落石事故に見舞われ
蓮太郎様のご両親は亡くなられました。
生まれたばかりの蓮太郎様は
日本のご自宅で乳母と一緒におりました。
不幸中の幸いとはまさにこのことです。
蓮太郎様もご存じのとおり
あなたのお母様の葵-あおい-様は
病に倒れ、お子様を産めない身体になってしまいました。
妹君の蘭様の嫁ぎ先では、既に跡取りも決まっておりましたので
両親を失ったあなたをどこで引き取るか話し合いになりました。
そこで一番に名乗りを上げてくださったのが御園藤次郎さまです。」
亡くなった母親に双子の妹?
・・・・・知らなかった。
いや・・敢えて知らされてなかったのか。
親父のやりそうなことだ。
「お辛いかもしれませんが
これが、蓮太郎様のご両親です。」
麟は、蓮太郎の亡くなった両親の写真を差し出した。
美男美女だ。
確かに自分にも二人の面影がある。
「・・・・・嘘じゃない?」
「え?」
麟は、RENの問いをもう一度聞き返した。
「あぁ・・・いや。ごめん。
なんかここの所、急にこんな話ばかりで
自分が一体何者なのかわからなくて
疑心暗鬼っぽくなってしまって・・・。」
「・・・・御園様からお話を伺ってます。
お辛かったことでしょう。
・・・証拠と言ってはなんですが
これは蓮太郎様の出生の記録です。」
麟は、紙を広げ、RENに差し出した。
確かに「長男:蓮太郎」と記されている。
「・・・・父と母は・・・・どんな方だったかご存知ですか?」
「私はお二人が亡くなった後に
徳羽家へ嫁ぎましたので
お噂しか存じませんが、
とても音楽好きであったと伺っております。
お二人の出会いは
大学の音楽サークルだったそうですよ。」
RENの目から涙がこぼれた。
「ありがとうございます。
養子の件・・・・・・少し考えさせてください。」
「もちろんですとも。
是非、お時間を作って私どもの家に遊びにいらしてください。
葵様の兄君・・・私の主人にも是非会って話をしていただきたいわ。」
そういって住所と電話番号が書かれたメモをRENに渡した。
「・・・・はい。
仕事が落ち着いたら・・・伺います。」
麟は、涙をにじませながらRENを抱きしめた。
「心から歓迎しますよ。」
RENも麟を抱き返した。
つづく 
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読んでくれてありがとう。
この小説は全て妄想です。


第一話はココから
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