兄の菖太郎より、二年以上も早く
自分が御園家の養子に入っていることに違和感を感じ
父、藤次郎のもとへ車を走らせた。
「おやじいる?」
「蓮太郎様。
急なお帰りで。
お久しゅうございます。」
「うん。久しぶり。
じぃも元気そうだね。
おやじは?」
「ご在宅でございます。」
「あはははははは。」
「?!
じぃが何か可笑しなことでも申しましたでしょうか?」
「うひひひひひ。
ゴザイたくでゴザイます だって!
うひひひひひ。」
RENは相変わらずダジャレ染みたものが好きらしい。
「・・・コホン。
蓮太郎様、こちらのお部屋でお待ちください。
旦那様をお呼びして参ります。」
「うん。
俺もさ、この後仕事だから、早めにお願い。
確認したいことがあるだけだから
時間取らせないよって伝えて。」
「かしこまりました。」
RENはソファーに腰を掛けると
胸のポケットから折りたたんだ、戸籍を広げた。
「・・・・・。
大丈夫。
どんな真実でも俺は受け止める。
どんな形であっても、HANAへの気持ちは変わらない。」
RENは心で何度もつぶやいた。
藤次郎はすぐ、RENのもとへやってきた。
「久しぶりだな。
よく来てくれた。
私もちょうどお前に話したいことがあったのだ。」
RENは、藤次郎に戸籍を差し出した。
「・・・・・やはりこのことか。
今まで黙っていてすまなかった。」
藤次郎は、RENに頭を下げた。
「俺が聞きたいのは
どうして菖のヤツより
俺の方が養子になったのが早いのかって事。」
「・・・・・そ・・・それはだな。」
藤次郎は濁った口調になった。
RENは黙ったまま、藤次郎の言葉を待っている。
「ふぅ・・・・・・。
こうなっては
隠していても仕方あるまい。
真実を話そう。
先に言っておくが
お前は、かけがえのない私の息子だ。」
そういって藤次郎は静かに話し始めた。
藤次郎は、御園家に仕えていた女性と恋に落ちていた。
しかし互いの財産と家系を守るべく、家と家との結婚の選択しかできず
御園家に仕えていた女性には暇をだした。
それが、HANAの母親の茉莉である。
結婚した妻は体が弱く、子供が産めない状態であった。
そこで御園家は、男児を養子に取ろうということになった。
それがRENである。
その後、茉莉が藤次郎との子供を
一人でひっそりと産み育てていることがわかった。
血縁者であり、後継者であるとして
御園家で引き取ることになった。
それが菖太郎である。
RENは生まれてほどなく御園家に引き取られ
菖太郎は2歳になる頃に御園家に引き取られたため
戸籍の日付はRENの方が早かったという訳だ。
そしてこの事実は
先日、ギリシャで菖太郎とHANAに知られたことも告げた。
「・・・・そうだったのか。
菖の存在を知って、あいつを後継者にしたってことは
俺って、つまりは用無しってことじゃん。
何もかも偽物の中で俺は・・・・・。」
「最初に言ったろう。
お前は私のかけがえのない息子だと。」
「・・・・・言葉なんて
本心であろうがなかろうが
いくらでも言える。
いろんなことが一気に腑に落ちたよ。
おやじさぁ
HANAのボディーガードをしてる
武之内ってヤツを知っているだろ?
アレも、おやじの差金なんだろ?」
RENは見透かしたように言った。
観念したように藤次郎がため息をつく。
「・・・・・そうだ。
菖太郎がHANAさんに興味を持っていたからな。
HANAさんの正体がよくわからなかったんで
ケン・・武之内を送り込んだのだ。
HANAさんから情報を聞き出すためにな。
だが、HANAさんが茉莉の娘と知り
そして、お前と恋人関係にあると知り
お前とは結ばれない運命に心を痛めた。
そして、忙しいお前の代わりに
HANAさんの心の傷を癒し、
守ってやれと私がケンに命令した。」
RENは怒りを露わにした。
「ったく余計な事すんじゃねぇ!!!」
RENは部屋を出て行こうとした。
「まて、まだ話は終わっておらん!
・・・・・落ち着いて私の話を聞け!!」
RENと藤次郎の声に
御園家のSPが部屋に入り込み
RENを押さえつけた。
「蓮太郎様。
お心を静めてください。」
静かな物腰とは逆に
SPの力加減はパンパない。
RENは身動きが取れなかった。
「くっそ!
わかったから離せッ!」
藤次郎はRENがこうなることを予想していた。
血がつながっていなくとも愛おしい息子であるのに
それを理解してもらえないことぐらい分かっていた。
「蓮、お前がHANAさんを大切に想う気持ちはよくわかる。
だが、お前を天涯孤独にしろというのか!
お前の父は、他の誰でもない、この私だ!
お前は御園家の人間だ。
次男であろうと、御園家の財産を多少は譲渡できる。
生きていくに困らない財産をな。
それに、私は茉莉と再婚しようと思っている。
HANAさんを正式に御園家に迎え入れるつもりだ。
私たちはやっと本当の家族になれるのだ。」
「ふふ。
本当の家族か。
よく言うよ。
ちょっとどいて。
帰る。
ってか、もうここには来ない。
みなさんお元気で。
さようなら。」
蓮は深々とお辞儀をすると部屋を出て行った。
つづく 
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読んでくれてありがとう。
この小説は全て妄想です。


第一話はココから
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