「あの・・・リンダさん
オーディションの
結果って・・・
いつわかるんでしょうか?」
「オーディション?」
「はい。今のオーディション。」
リンダは笑い出した。
何がおかしいのだ。
「今のはオーディションじゃないですよ。
担当決めのミーティングのようなものです。」
HANAにはその
”担当”という意味が
わからない。
「HANAさんに、どの順番で
どのものまねをしてもらうか。
衣装やメイクはどうするか。
もっと違う曲がいいんじゃないか。
振付をつけた方がいいんじゃないか。
僕はそういった事を
HANAさんと一緒に考える人です。」
「・・・そうですか。」
HANAは、ぽかーんとしている。
返事をしたものの
自分の状況が
理解できないままであった。
「ココにいる時点で、
TV出演は決まっているんですよ。」
「ええええ?!」
どうやら、HANAは
大きな勘違いをしていたらしい。
リンダさんに話を聞くと
そもそも、素人のものまねの
番組ではなかったようだ。
ほとんどがプロで、
アマでも我こそは!と言う人は
デモを送ってくださいというような
ものだったらしい。
今回はHANA以外は全員プロである。
「HANAさん、
本当に、歌が上手ですよね。
今まで何を?」
「えと・・歌っています。
オリジナルとか、
JAZZとかのcoverもやったり。」
「そうですか。
上手くて当然ですね。
プロsingerなんですね。」
「いえ。
インディーズで、地味に・・・。
今回応募したのは
LIVE会場をいっぱいにしたくて。」
リンダは驚いている。
プロになりたいと
いうのかと思ったら
会場をいっぱいにしたいとは。
どれだけ広い会場を
埋め尽くしたいのだろう。
「図々しい考えだと
わかってるんですけど
あの・・・あの・・・
TVに出れるなら
LIVEの告知してもいいですか?!」
「もちろん、いいですよ。
何人くらい入る会場なんですか?」
「30人くらい。」
「さ・・・さんじゅ・・ぅ?」
リンダは爆笑している。
HANAとしては必死なのだ。
笑われるのは心外である。
というか、バカにされたような
気分であった。
「いや・・・・あ・・・
申し訳ありません。
HANAさん。
あまりにも、自分の実力を
知らなさすぎというか・・・
くっくっくっく・・・。」
なんてこと。
30人は無謀というのか。
TVに出演しても
会場をいっぱいにするのは
無理というのか。
HANAは泣きそうになった。
「???!!!
HANAさんッ?!
何故泣くんです?!」
「リンダさん。
私は真剣なんですッ!!
実力はないかも
しれませんけど
たくさんの人たちの前で
歌いたいんですッ!!」
HANAはポロポロと
涙をこぼしながら熱弁した。
「待ってください
ご・・誤解ですよ!
実力があるのに
30人という無欲さが
・・・その・・・・ちぐはぐで
笑って申し訳ありませんでした。
・・・HANAさんなら
武道館もドームも
夢じゃないかもですよ。
はい、ティッシュ。」
「・・・すみません。」
なんだか今日は
とんちんかんな
誤解ばかりだ。
恥ずかしい。
恥ずかし過ぎる。
何か話題を変えよう。
「・・・・ところで
なんでリンダさんって
呼ばれているんですか?」
「あぁ、名字が”林田”
だからですよ。」
HANAは爆笑した。
「もう中学の時から
そう呼ばれてますから。
HANAさん、笑顔がいいですね。
”私なんて”って思わずに
もっと自信持った方がいいですよ。
その笑顔でTVに出演しましょう。」
「・・・・・は・・・はい。」
初めて会った男性に
そんな言葉をもらうとは
確かに今日は
”私なんて”ばっかり
思っていたかもしれない。
しかし今振り返っても
あの状況では
怖気づくのは仕方あるまい。
リンダに、勇気と自信をもらい
HANAは、気持ちが前に向いた。
「ありがとございます。
リンダさん。
私、頑張ります!!」
「その調子!
優勝目指しましょう!!」
「えーーーー?!
ムリッ!!絶対ムリッ!!」
つづく
++++++++++++++++++++++++++++++
読んでくれてありがとう。
この小説は全て妄想です。


第一話はココから
++++++++++++++++++++++++++++++